八洲学園大学 公開講座

生涯学習社会の実現を目指して多数の公開講座を開設

【八洲学園大学開放授業】 俳句と俳文Ⅰ

【八洲学園大学開放授業】 俳句と俳文Ⅰ

講師 中田 雅敏
受講形態
受講料(税込) 17,000円(税込)
講義時間・回数 90分×15回

この講座の概要

現代社会で最も大切になっていることは、「思いを伝えること」と「相手の気持ちを理解すること」のふたつです。これは「共感」と呼ばれる心の有り方です。人間同士、「思いやる気持ち」を持ち「相手にきちんと自分の思いを伝える」ことです。日本の言葉と言語文化は極めて繊細で、極めて高度です。しかし一方で「以心伝心」というように言葉にしなくとも通じ合う「共感力」を持っています。これは、日本の風土と日本人のこまやかな感情があったからです。言葉が生まれて、すぐに行うのが「お互いの心の通い合い」です。これを基本にして「言語文化」が生まれました。これが、「五、七、五、七、七」の三十一文字で思いを表現する「和歌」でした。発生時から既に二千年の歴史をもっています。さらに中世になり戦乱が常に起こるようになると、少数の仲間で「重要なことを伝え、共有する」ことが大事になりました。そこで言葉を省略し、思いを凝縮して詠み、これを受け取った人が省略された思いを推測し、イメージして理解するという「俳諧連歌」が生まれ、これを省略して「俳句」と言います。これが生まれて八百年が経過し、今や俳句を詠む人は二千万人にもなっています。「五、七、五」という、たった十七文字で思いを表現し、思いを受け取る「俳句」を、基礎から、中級、上級まで高めるような授業をいたします(本科目は、初・中級編です)。

・伝え合い、共感する、一味同心の醍醐味を得る。
・表現する人になる、自分の言語作品を作り自己表現をする。
・日本の伝統文化に触れ、日本人の心を知り、創作にする。
・マネジメント力、イメージ発達力、多彩な思考力を磨く。
・十七文字に秘められた思いを読み取り、共感する心を知る。
・俳句という誰でも詠むことができる文芸に触れ、日常生活を豊かにする。
・身の回りのなにげないものにも心があることを見抜き、訴えかけてくる思いを「五、七、五」にまとめる。
俳句は実は日常のあらゆることに精通する必要があり、これをマスターすると今まで以上の有意義な人生が送れます。文部科学省も「学びのすすめ」の必修としています。小・中・高の先生方も俳句を教えられるようになります。

この講座の受講対象

どなたでも
※この講座は八洲学園大学開放授業として、本学正規科目「俳句と俳文Ⅰ」 」を学生とともに受講します。
(入門的な内容で、高校卒業程度の学力が必要)

日程と内容について

日程 時間 内容
1 2015年
10月08日
13:00-14:30
「俳句の特徴」
俳句の特徴は、「季語をもつ十七音の詩」です。俳句の言葉は特別のものではありません。しかし俳句に用いると全く違う輝きを発します。様々な表現の可能性を探りましょう。
2 2015年
10月15日
13:00-14:30
「季語の季節感」
俳句は季節をうたう詩です。歳時記は季語となっている言葉を季節ごとに分類したものです。俳句に季語はなくてはなりません。和歌にも季語があります。その違いを考えます。 
3 2015年
10月22日
13:00-14:30
「季語の用い方」
季語の歴史を遡れば、連か、より古く和歌の題詠にまでたどりつきます。ここで最も大事なのが四季と恋でした。これを「季のことば」に思いを込めて伝えるものでした。 
4 2015年
10月29日
13:00-14:30
「季語のはたらき」
俳句では感情を言葉で直接には述べません。感情を表現しないのではなく、季語をとおして伝えるのが俳句表現の特徴です。 
5 2015年
11月05日
13:00-14:30
「季語を深く知る」
季語は日本語の中でもっとも美しい言葉と言え、それは文語だからです。歳時記は、時候、天文、地理、生活、行事、動物、植物に分類されています。  
6 2015年
11月12日
13:00-14:30
「見ることと写生」
俳句をつくるにはものをよく見る必要があります。もののありのままの姿を描写し、理屈や通俗を脱することが必要です。 
7 2015年
11月19日
13:00-14:30
「見えてくるもの」
対象を見るということは、その句を読んだ瞬間に「はっとする」ものがあることです。ある場面をくっきりと切り取って言葉に置き換えることです。 
8 2015年
11月26日
13:00-14:30
「俳句の切れ、切字」
俳句形式を特徴づけているのは、定型、季語、切れ、の三つです。俳句が連歌から独立する際に必要な技術が切れで、これで一句が独立します。 
9 2015年
12月03日
13:00-14:30
「切字の使い方」
「や」「かな」「けり」という切字をどのように使うか、一句を完結させて独立させるために使う切字と「取合せ」の句についての関係性を学びます。 
10 2015年
12月10日
13:00-14:30
「字余りと字足らず」
俳句の定型では十七音ですが、それに収まらない句も多くあります。「五、七、五」の定型のどこかが文字が足りなかったり、多すぎたりするのがこの方法です。 
11 2015年
12月17日
13:00-14:30
「句またがり」
俳句は調べ、つまり調子やリズムが整っていなければなりません。このリズムをもとにいろいろな表現の工夫をすることで多彩な作品が生まれます。 
12 2016年
01月07日
13:00-14:30
「表現の工夫」
俳句をどのように書き表すか。日本語は通常、漢字と平仮名の組み合わせで表現しますが、俳句ではそれぞれの持つイメージを考慮して一句を詠みます。 
13 2016年
01月14日
13:00-14:30
「語順を考える」
俳句は散文と違って韻文と言います。しかし、俳句も短い文章ではありません。ご順がとても大切です。特に意外性を持たせることがとても大事です。 
14 2016年
01月21日
13:00-14:30
「文語をなぜ使うか」
平安時代の和歌で使われていた文語を一応そのまま引き継いでいます。日本語が本来持っているリズムを生かすためには文語が必要なのです。 
15 2016年
01月28日
13:00-14:30
「助詞を使う」
俳句は基本的には文語を用います。高校生の頃に学習した古文を思い出してください。間違いやすいのは助詞の使い方です。これらを有効に使うことが大事です。 

最少催行人数の記載がある講座につきまして、申込者数がその人数に達しない際は開講いたしませんので何卒ご了承ください。その際の受講料返金等詳細は「受講に関する注意点」のページにてご確認ください。

受講に関する注意点

講師プロフィール

中田 雅敏