【八洲学園大学開放授業】作家と作品
【八洲学園大学開放授業】作家と作品 |
講師 | 中田雅敏 |
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受講形態 | ||
受講料(税込) | 17,000円(税込) | |
講義時間・回数 | 90分×15回 |
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この講座の概要
文学がいかにして生まれるか。作品と作家といかなる関係性があるのか。また何故に作家になったのか、というように作品と作家との関係性を内面の欲求や苦悩をひもとくことによって、作品が持っている意味を考え、読者に何を訴えようとしているのかを解明したい。合わせて「人生の諸相と文学」のように、時代の諸相と文学作品との関係性とその人自身に関わる問題、作品が何をきっかけとして誕生するかを鋭く追及し解明するように努力する。
一時、若者の文学離れ、社会全体の活字離れが声高に叫ばれ、文学の危機が云々されたことがあった。文学部が次々と改編され、国際文化や言語文化などの学部が新設された。これは国際化時代と世界のグローバル化が叫ばれ、「話すこと、自己の意志や考えを伝え、相手の人の述べる内容を理解する」という、言語教育、外国語理解が求められていたからであった。一方「我が国の伝統を尊重し、他国の文化も認め合う」必要性も身に着けることが求められ、そのためには自国のことをより深く、より正確に習得することも求められ、近年やっと日本の言葉や文学の重要性が再び省みられるようになった。そのためには「作家が何を見、何を考え、何を訴えようとしたのか」をしっかり理解することが重視されるようになった。この科目はその視点を見抜く目を持つために、「忘れられようとしている日本の名作」をもう一度読み返し、読み直すための学習をすすめることとする。
一時、若者の文学離れ、社会全体の活字離れが声高に叫ばれ、文学の危機が云々されたことがあった。文学部が次々と改編され、国際文化や言語文化などの学部が新設された。これは国際化時代と世界のグローバル化が叫ばれ、「話すこと、自己の意志や考えを伝え、相手の人の述べる内容を理解する」という、言語教育、外国語理解が求められていたからであった。一方「我が国の伝統を尊重し、他国の文化も認め合う」必要性も身に着けることが求められ、そのためには自国のことをより深く、より正確に習得することも求められ、近年やっと日本の言葉や文学の重要性が再び省みられるようになった。そのためには「作家が何を見、何を考え、何を訴えようとしたのか」をしっかり理解することが重視されるようになった。この科目はその視点を見抜く目を持つために、「忘れられようとしている日本の名作」をもう一度読み返し、読み直すための学習をすすめることとする。
この講座の受講対象
日程と内容について
日程 | 時間 | 内容 | |
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1 | 2017年 10月12日 |
13:00-14:30 | 「文学に描かれた家庭」について作家はなぜ、どのような目的で家庭の内部に目を向けたのかを考え、 現代の家庭、家族について熟考する。 |
2 | 2017年 10月19日 |
13:00-14:30 | 「己を知ること」はどうして必要なのか、また自己を知るにはどのような手立てが必要なのかを考え、 「宿命」という定めについて考察する。 |
3 | 2017年 10月26日 |
13:00-14:30 | 近代という時代の有り方を考え、日本的家族の持っていた特徴を理解する。かつて「親孝行」という 言葉があったが、それが日本的家族を特徴づけていた。何を意味していたのかを考察する。 |
4 | 2017年 11月02日 |
13:00-14:30 | 孝女という言葉を示す作品がたくさんあった。「あゝ野麦峠」「孝女白菊」など、 涙腺緩くなる作品が沢山生まれた。近代日本国家を確立する過程を考察する。 |
5 | 2017年 11月09日 |
13:00-14:30 | 「家の持っている重み、桎梏、柵」などを係累という。島崎藤村をはじめとして、 嘉村幾多、坂口安吾、寺山修司などみな「家からの脱出」をこころみている。 なぜそうしなければならなかったのか、を考察する。 |
6 | 2017年 11月16日 |
13:00-14:30 | 「放浪の旅に出て、旅先でのたれ死に」をする。そういう人物がたくさんいた。 何故にのたれ死を覚悟してまで「家出」をしたのか。それは「立志を立て、 放浪を通して作品をつくる」と考えたからであった。 |
7 | 2017年 11月23日 |
13:00-14:30 | 作家は虚構、フィクションで作品を作るものと考えられていた。だが「口語文」の始まりは、 明治初年の「写生文」から始まった。一方自然主義という方法は、「自己の行動をそのまま書く」 つまり「裸の自分」を書くということを意味していた。その表現法を考察する。 |
8 | 2017年 11月30日 |
13:00-14:30 | 日本は昭和20年の敗戦後、まったく異なった考えと生き方を迫られるようになった。 占領軍の政策下で「家の概念が覆され、民主主義と個人という生き方が示された」。 作家はそうした考えをどのように捉えたかを考える。 |
9 | 2017年 12月07日 |
13:00-14:30 | 「恋愛」という行為は戦前は最も罪悪視された。夏目漱石は「坊ちゃん」という小説でそういう 考えを書いている。では今日までにどんな変遷があったのかを考えてみる。 |
10 | 2017年 12月14日 |
13:00-14:30 | 「日本人のルーツ」「日本人の祖形」を探るという考えが一時流行した。それは司馬遼太郎が 「歴史を遡行する旅」を実行し『街道をゆく』という紀行をして放映され、更に出版をして 大ヴームになったからであった。いったいどんな旅であったのかを考える。 |
11 | 2017年 12月21日 |
13:00-14:30 | 「天下大乱」という言葉がある。司馬遼太郎は現代社会をあたかもそれが今日である、 というように考えていた。現代社会のどのような状況を「天下大乱」の現象と考えて いたのであろう。 |
12 | 2018年 01月11日 |
13:00-14:30 | 今の日本は「少子高齢化社会」の到来ということで「国家的危機」と考えられている。 今日に至るまで高齢化については、谷崎潤一郎を始めとして、石川達三、川端康成、 高樹のぶ子、などが描いてきた。彼らは「何を訴えてきたのか」を考察する。 |
13 | 2018年 01月18日 |
13:00-14:30 | 美しく「老いを迎える」ことは誰もが望んでいることであるが、その美しく老いることを 希求しながらも意図に反し、二十代で非業の死を遂げたり、三十代で「自らの意志で自己 の生を断った作家たちがいる」。彼らは何故に自らの命を断ったのかを考察する。 |
14 | 2018年 01月25日 |
13:00-14:30 | 昭和という時代は、ほぼ60年も続いた。近代国家の中で最も長く、最も激動した時代であった。 その「昭和という激動の中」を「青春を喪失」しながら生きた人々がいた。そういた人々が描いた 「昭和」を考察してみる。 |
15 | 2018年 02月01日 |
13:00-14:30 | 現代小説は愉快であり、読んで面白いものもある。また若い人々の間、特に若者たちに人気の高い小説に 「ミステリー小説」がある。これら奇想天外な小説は誰が生み出したのか、こうした娯楽的ではあるが 、その発想の破天荒さはどんな作家が生み出したのかを考察する。 |
講師プロフィール
中田雅敏 |
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