西日本柔道整復専門学校 副校長 多田 浩之
最近、いままでならコンビニができていた場所に「整骨院」「鍼灸整骨院」「接骨院」といった看板をよく見かけませんか?何故急に増えたかというと、柔道整復師養成施設(以下養成施設)の学校が増えたからです。
そこで養成施設の近況と歴史について少しお話したいと思います。養成施設は、厚生労働省の認可を受けた柔道整復師を養成する機関で一般には柔道整復学校、「ほねつぎの学校」などと呼ばれています。学費は3年制の専門学校の場合、3年間で合計400万~500万円程度が一般的です。柔道整復師の資格を取得すると医師以外で療養費請求(保険請求)ができるため平成11年頃までは安定した収入を得られる資格として養成所入学希望者が絶えませんでした。しかし、当時の養成所は全国に17校しかなく大阪にも3校しかなく入学するには、莫大な寄付金等が必要でした。経営側から言うと安定した学校だったのです。
厚生省も視覚障害者の職域を侵すと考え新規参入を断絶していました。
ところが平成8年に福岡の専門学校が養成施設指定認可申請書を厚生省に提出したところ翌年厚生大臣(現厚生労働大臣)が指定は,行わないとしたことに訴訟をおこし平成10年8月福岡地裁において柔道整復師養成施設不指定処分取消請求事件の判決が下され専門学校側が勝訴、以後、厚生省は養成施設指定規則さえ満たせば設置を認める方針に転換したのです。
判決前まで既存の養成施設は、全国で17校であったのに平成11年から平成13年にかけて17校新設、西日本柔道整復専門学校が開校した14年だけでも17校が開校しその後も増え続け、平成22年現在全国に約100校の養成施設があり毎年約7,000人の卒業生がでています。
しかし、世間では、柔道整復師ってなに?と知らない人もまだまだ多いです。現に学校訪問していても進路担当の先生が「あんま師・整体師と同じように考えていた」と解答する先生が多く生徒に進路として積極的に推薦できていないのが実情です。
全国柔道整復学校協会を中心に全国の高等学校に柔道整復師養成施設のパンフを送付し知名度を増す活動も進めています。入学者数の減少が進んでいますが高校新卒者の入学者は、 まだまだ期待できます。
卒業後の就職は、100%です。整骨院・接骨院以外の主な勤務先は、病院、整形外科医院、老人介護施設などです。介護保険の規定により、柔道整復師の資格で機能訓練指導員として働くことができ、5年間の実務経験があれば、試験を受けて介護支援専門員となることができます。
民間スポーツ施設など(近年プロ野球やサッカーの専属スタッフとして)に勤務する例もあります。
国家資格取得については、全国平均が約70%に対し西日本柔道整復専門学校の平成21年度の合格率は、新卒生90%でした。
今後も、学校存続の危機感を職員全員が持ち運営に努力したいと考えています。
西日本柔道整復専門学校の入学定員は、60名です。僅か60名されど60名・・・・・ |