「ゆったり、ゆっくり、まわり道」

本校の教育は常にゆっくり、ゆったりとした場所と時間のなかで、のんびりと過ごせるようにしています。

のんきといえばその通りかもしれません。しかし、人生で一番大事な青年期だからこそ、ゆっくり考えながら、ゆったりとまわりを眺めて、多くの体験を仲間とともに失敗を重ねながら周り道をして、目標に近づくようにとの願いから考え出されたものです。

ゆっくり、ゆったりした中で自分をみつめ、今までの自分にはない新しい自分を創り、周囲を気にしないで心のゆとりをもてば他人を認め、手を差しのべる優しさが生まれます。その優しさが仲間の意識を高め、遠慮のないありのままの自分を出させるものとなります。

青年期特有の脱抽象化の中で、不安感から脱却し仲間とともに育ち、自己肯定感を持ち、達成感を味わうことは、その後の人生に大きな影響をもたらします。

肯定感や達成感は与えられるものではなく、自ら体験して得られるものです。押しつけたり、敷かれたレールを転がるだけでは決して体験できないものだと思えます。その体験は人によって感じ方が異なります。

だからこそ「ゆっくり、ゆったり」が必要であり、他人から無駄と思えることも、人によればこのうえない有意義なものであるかもしれません。

人はそれぞれです。「みんなちがって、みんないい」は、結果の善し悪しや速さだけの問題ではありません。
一人一人が尊重され大事にされなければいけません。

一つのことでもゆっくり時間をかけてわかれば、喜びは大きく自信につながり、「学ぶ楽しさ、わかる喜び」は体験的な学習の中で生まれてくるものだと思います。これで学び得た力が本当の学力ではないでしょうか。また、その時に「ともに喜んでくれる(共感)できる仲間」が本当の友人です。

本校ではこれらのことを踏まえて教育目標を、「社会的自立」~ひとりで生きていく力を養う~としています。何より本校で大切にしたのは「心を育てる」ことにあります。「これが出来る、これが出来た」から「これがしたい!」と生徒が言える教育が本校の理想です。

生徒も学び、保護者も教職員も学ぶ。楽しみながら学び輝く「ともに学んで、みんなで輝く」が本校の校訓でもあります。