創造の時間

~自主的な遊びと人間関係の構築~

 高等課程を終えた3年後の進路を考え、授業の一部の時間を、創造の時間として開始しましました。
 従来までの高等課程の教育課程では、柔軟性を持たせたものとは言え、どうしても教科教育が中心で、全員が同一の課題で、一律の評価が原則でした。当然と言えば、当然であり、学校では当たり前のことと思います。

 しかしながら、これだけでは本来もつ生徒の個性や資質の伸長と言った、本校の教育が不十分ではと、特に感じられるようになってきました。

 授業では課題に対して、ある程度こなす力はありますが、自由である休み時間になると多くの生徒はスマホを取り出し、あたかも一人遊びのように時間を潰してしまいます。
 
 本当に必要な力は、記憶だけで得た成績やノートを写したことによる平常点ではなく、むしろ自分の生活を実感し、友だちと遊ぶ工夫をする力が必要です。

 最近では、3年次の早々に実施している進路指導での生徒個別懇談では、本人が自分の希望さえわからないという事態が生じています。

 家庭と学校の往復だけでの生活で、あまり自己決定することもなく、与えられた生活をすれば無難に生活できていますが、今後の進路を考えれば自由な時間を、仲間とともに楽しく過ごせることを養うことが必要と確信しています。

 そこで「創造の時間」という時間を設け、その時間内では何をしても自由という時間を生徒に与えようと考えました。一見無駄とも無謀とも思われますが、どんな集団が生まれ、何をやりだすか誰もが経験のないことを経験することに価値があると考えます。

 展開によっては外出する集団や色々な企画を実行することになります。また教員以外の大人と話すことも生徒には大事な経験となり、保護者の方も一緒に参加できれば子ども理解に繋がります。生徒を中心に保護者と教職員が手を取り合って一緒に協働できること願っています。