【開放授業】現代社会と少年非行
【開放授業】現代社会と少年非行 |
講師 | 小関慶太 |
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受講形態 | ||
受講料(税込) | 17,000円(税込) | |
講義時間・回数 | 90分×15回 |
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この講座の概要
本講座は終了しました。多数のご受講ありがとうございました。
少年年齢にある者による非行や逸脱行為とそれに対する基本的な考え方を法的な観点から学んでいきます。
少年法は、1948年制定以降大規模な改正を行われることなく、21世紀を迎えましたが2001年改正を歯切りに幾度となく大改正を経験しました。大改正前の少年法を通称「大正少年法」と言います。大正少年法の理念は「健全育成」にあり、これは「愛の法」をスローガンとしたシカゴの児童救済運動に端を発しています。大改正を経た少年法は、少年の保護優先主義より刑事処分への選択の幅を広げることで少年に対して厳しい法令になっています。また社会に対する説明責任も相当に果たすものとなっています。少年法は、刑法や刑事訴訟法における「刑事法」、教育基本法における「教育法」、児童福祉法における「福祉法」と、いずれの特別法に分類すべきかについて様々な説がありますが、基本となる法令ではなく特別な政策的な法令であることを考えるのであれば、刑事政策的な視点が求められます。少年法は、「社会(被害者含む)へのケア」「子どもの内在・外在のケア」など受け手によって理解が変わってきます。さて「少年法は甘い」「子どもを甘やかしている法」だと世論から指摘されることがありますが本当にそうでしょうか。一緒に考えてみませんか。
この講座の受講対象
日程と内容について
日程 | 時間 | 内容 | |
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1 | 2018年 08月21日 |
9:00-10:30 | 【オリエンテーション】 【少年非行統計データ】 ・犯罪白書を見てみよう。 【非行少年手続きの流れ】 ・成人と比較して見ていきます |
2 | 2018年 08月21日 |
10:40-12:10 | 【少年法の理念】 ・少年法とは何か ・少年法の意義 ・少年法の理念 ・少年司法制度の特徴 ・家庭裁判所の機能 |
3 | 2018年 08月21日 |
13:00-14:30 | 【少年法の理念】 ・少年法とは何か ・少年法の意義 ・少年法の理念 ・少年司法制度の特徴 ・家庭裁判所の機能 |
4 | 2018年 08月21日 |
14:40-16:10 | 【少年非行の現状】 ・日米比較 ・少年非行の今昔 ・稚拙になった凶悪事件 ・衰退した非行グループ |
5 | 2018年 08月21日 |
16:20-17:50 | 【少年法の改正】 ・改正の経緯 ・2000年改正の内容 ・2007年改正の内容 ・2008年改正の内容 ・2014年改正の内容 ・少年院法の改正と少年鑑別所法の制定 |
6 | 2018年 08月22日 |
9:00-10:30 | 【少年事件と犯罪被害者】 ・少年法における犯罪被害者の地位 ・警察による被害者支援 ・検察よる被害者支援 ・裁判所による被害者支援 ・少年審判における被害者支援 ・矯正施設における被害者支援 ・更生保護における被害者支援 |
7 | 2018年 08月22日 |
10:40-12:10 | 【非行少年の発見】 ・発見活動の意義 ・発見活動の諸態様 ・対象からみた発見活動 【捜査・予防活動】 ・少年司法における警察の活動 ・非行の発見 ・非行防止のための活動 ・非行少年の捜査・調査活動 ・被害少年・要保護少年・被虐待児童の保護 |
8 | 2018年 08月22日 |
13:00-14:30 | 【家庭裁判所の役割】 ・家庭裁判所の意義 ・家庭裁判所の事件受理 ・観護措置 |
9 | 2018年 08月22日 |
14:40-16:10 | 【社会調査】 ・調査とは ・社会調査方法 ・試験観察 ・社会記録の活用 |
10 | 2018年 08月22日 |
16:20-17:50 | 【少年審判】 ・少年審判とは ・審判の対象 ・審判の手続き |
11 | 2018年 08月23日 |
9:00-10:30 | 【非行少年の処遇】 ・逆送と刑事処分 ・保護処分と刑事処分 ・被害者と保護処分 |
12 | 2018年 08月23日 |
10:40-12:10 | 【少年の福祉を害する成人事件】 ・少年福祉阻害犯 ・児童買春、児童ポルノ処罰法 ・出会い系サイト規制法 ・青少年育成健全条例 ・児童福祉法 |
13 | 2018年 08月23日 |
13:00-14:30 | 【少年事件と報道】 ・非公開の原則 ・少年法61条の射程範囲 ・事件報道の歴史 ・少年法61条違反の法的効果 ・少年法61条をめぐる諸議論 |
14 | 2018年 08月23日 |
14:40-16:10 | 【世界の少年法】 ・アメリカ ・イギリス |
15 | 2018年 08月23日 |
16:20-17:50 | 【世界の少年法】 ・ドイツ ・フランス 【総括】 【最終試験対策】 |
講師プロフィール
小関 慶太
八洲学園大学 生涯学習学部 准教授
八洲学園大学 リカレント研究センター 研究センター長
経歴:中央学院大学法学部卒業、桐蔭横浜大学大学院法学研究科修士課程、同博士後期課程を経て、現職。
[研究テーマ]特定少年の実名報道基準の研究/実学実践的教育研究/子どもの安全等
[八洲学園大学 正規担当科目]
市民のための刑事法入門、犯罪と心理、社会と安全入門、法と心理入門
はじめて学ぶ刑法総論/刑法各論/刑事訴訟法/裁判員制度
少年法入門、子どもの問題行動と非行、刑事政策概論、法社会学
子どもの遊びと公園、特別研究(犯罪学Ⅰ・Ⅱ)、刑法判例研究Ⅰ・Ⅱ 等
[著書]
『こども・先生のための法学入門』三和印刷社、2019 他
一言メッセージ:「どこで学ぶのかより、何を学ぶか」が大切だと考えています。
■詳細
http://www.yashima.ac.jp/univ/about/information/teacher_koseki.php