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藤森純一の研究室便り

景況調査から考えてみる法務

2016/01/12

神奈川県中小企業家同友会の景況調査報告(2015年7月~9月期)のレポートを踏まえて、中小企業に求められる法務について思うことを書いてみたいと思います。

神奈川県中小企業家同友会の景況調査~概況報告~(玉川大学経営学部助教・長谷川英伸)によると、経営上の問題点・力点で多い順に、「新規受注の確保」(53.2%)、「付加価値の増大」(38.9%)という結果が出た(その他、人材確保、社員教育の割合が高い)。


今回のブログでは、「付加価値の増大」と「新規受注の確保」に注目した法務について、少しばかり。


まず「付加価値の増大」については、いわゆる「知的資産」の棚卸からはじまり、新規ビジネスの展開や顧客単価のアップにつなげていくということが考えられます。この場面では、新規ビジネスでは、新しいビジネスモデルや新規顧客が登場することから「リスクマネジメント」が今までと異なる点がでてくる可能性があります。

このリスクマネジメントの一つに「契約書」がでてきます。新規ビジネス展開の前提として「知的資産の観点からの自社の強みの把握」と同時に「弱み」も把握したうえで、「契約書に反映させておく」ということが法務の観点から求められるでしょう。


また、新規であるため、信頼関係がまだ構築されていないという場合にも、契約書の役割は重要になってきます。


なぜならば、お互いの認識のズレがある可能性があります。例えば、業務委託をした場合に、相手は当然に営業活動をしてくれるだろうと思い込んでいたが、実際には営業活動はしなかった。相手方は逆に営業活動はうちの担当ではなく、御社がやるものだと認識していたといったことです。

 
こうなると、最悪のケースを考えると、新規ビジネスはここで中断ということになりかねません。
 
 
このような事態を防ぐには、契約書を活用することで、「お互いこうしていこう!」という共通認識を持つということが大切になります。
 

例えば、先ほどの営業のお話でも、契約書の条項に営業は〇〇が行うといったような条項があれば、お互いに確認して、相互に協力していく点を見出すことができるようになります。
 
 
是非、付加価値の増大に伴う新規ビジネスでは、契約書の作成をし、ビジネスパートナーと共通認識を持ちながらビジネスを発展させてほしいと考えます。


もちろん、このことは新規受注を受ける際にも言えることです。


契約書の作成は、実は裁判を想定したということだけではなく、ビジネスを発展させるための文書ととらえていきたいですね。


【講師プロフィール】
藤森純一(八洲学園大学専任講師・行政書士)

<担当科目>
法学概論、民法1(総則・物権)、民法2(債権法)、ビジネス文書作成・読解、知的資産マネジメント、コンプライアンス概論、情報と法など

<略歴>
藤森行政書士事務所・代表
行政書士、個人情報保護士、ビジネス法務エキスパート®(商工会議所認定)、著作権相談員
NPO法人全日本製造業コマ大戦協会事務局

<社会的活動等>
・神奈川県中小企業家同友会(政策委員会、青年部)
・行政相談委員(総務省委嘱)
・神奈川県行政書士会旭支部監事、政治連盟副支部長
・日本調理アカデミー(大庄グループ)講師
・キャリアサポートセミナー講師(公務員試験対策・法律・面接)など

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