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小関慶太の研究室便り

八王子医療刑務所参観(3)

2017/04/10

こんばんは、

 

今回も八王子医療刑務所参観へ参観した学生たちの感想文をご紹介します。

 

刑事施設参観から新たなステップへ(女性)

 

 八王子医療刑務所の第一印象は想像していた刑務所とは異なり、病院であった。医療専門施設として医療法上も病院であると説明を受けて納得できた。参観後の感想をいくつか述べたい。

 まず、刑事施設の高齢化という課題を実感した。認知症への理解と対応、治療中に釈放となる場合の新たな入院先への調整など、一人ひとりが抱える困難に応じる職員の方々の業務は高い緊張感が伴うであろうと思った。廊下に「ヒヤリハット」箱が置かれていたが、活用方法について聞きそびれてしまった。

 次に、准看護師養成所では職員による事例研究発表会を見学した。できれば最後まで拝聴したいと思うほど発表内容は興味深かった。

 もっとも心に残ったことは、受刑者とその家族の関係であった。受刑者が死亡した場合、家族の迎えはなく、遺骨の引き取りもほとんどないという現実にショックを受けた。ある日突然犯罪にかかわることとなった家族へのケアは犯罪被害者支援と同様に重要だと思った。このたびの参観で得た新たな視点を今後の課題としたい。

 

感想文(女性)

普段、このような機会がないと見ることのない場所の内部を入るということで非常に緊張しました。今回見せて頂いたのが医療刑務所ということで、聞き馴染みのないものだったことも手伝っていたかと思います。

敷地へ入る前に、歴史を感じる外観に圧倒されたことが記憶に新しいです。窓に設置された格子や塀の高さに、刑務所という場所を実感させられ、その反面、廊下に飾られていた作品には綺麗だと素直な感想を持ちました。

庭を通ると、大きな木がいくつもあったことが印象的です。植物を育てる治療法もあると伺った際に、庭の木にもそういった効果が期待できるのだろうかと思いました。施設が移転した後は公共の施設になるとのことですが、残された木々も有効に利用されればよいと考えます。

目の見えない受刑者がいる場合には、図書室からマルチメディア資料の貸し出しは行っていますかと質問をさせて頂きました。録音資料などは無いようで、受刑者が自由に購入することは可能だということでしたが、眼病患者や識字の難しい方のために、図書資料の幅が増えるとよいと考えていました。

 

八王子医療刑務所参観を終えて(女性)

 

 八王子医療刑務所は、JR八王子駅から歩いて15分くらいの閑静な住宅街に姿をあらわしたことにまず驚いた。刑務所には予定より早く着いたのでちょうど昼休みだったようで、13時の時報とともにかけ声が聞こえてきて整列して建物の中に戻る様子がうかがえた。実際には見えないが、よくTVでも特集をしているような光景である。

 中に入ると、刑務官がおりしっかり施錠して次のドアを開けるという当たり前のことだが、実際みていると重い扉の重圧には緊張感がある。

医療専門施設ということで、食事の面でも気を遣うことが多いようだ。管理栄養士が健康管理をしっかり考えているようだ。

病院とは違うが医師、看護師、カウンセラーも専門的分野で必要とされている。ICUを見学しようとしたら実際患者がいたようで中には入れなかった。上でも記したが総合病院的役割ということでどれだけのシステムが揃っているのか、またスタッフがどのように動くのか拝見してみたかった。

『刑務所は「治安を守るたまの最後の砦」といわれてきたが現状は「福祉の最後の砦」となっている。地域社会での福祉がきちんと行われていない結果、軽微な犯罪を重ね服役している受刑者が少なくない』を言われている。毎日何かしらの事件や犯罪がおき、施設に入ることになる人があとを絶たない。出所後の福祉サービスはそう簡単にできるものではない。後見人の69%は親族といわれているが、高齢者が罪を犯すとまたその先は難しくなりNPOなどに頼るしかなくなるのが現実となる。

 

八王子医療刑務所での刑事施設参観に参加して(女性)

 

率直な感想としては、八王子医療刑務所に対して3点ありました。

1.建物の老朽化、2.医療設備の水準、3.准看護師養成制度、

また、刑事施設の現状に対しては2点ありました。

  1.少年刑務所の現状、3.医療刑務所の役割・現状

 

 まず、八王子医療刑務所についてです。

  1.建物の老朽化

建設から60年以上が経過している状況が、まざまざと見て取れました。天井の高さやドア・扉などのサイズ感、壁や床、階段のなどにひび割れなどが印象に残りました。それは、現在の一般的な病院や集合住宅と比較すると、その古さを痛感し、刑事施設としての保安・安全管理面に、正直なところ、不安に感じました。

  2.医療設備の水準

こちらの施設で様々な治療・手術が行われていて、高水準の医療設備を備えている現状に驚きました。一般の医療機関に移送した際にかかる様々なコストや懸念などために、移送せずに治療・処置を可能にする必要があると説明をお聞きし、よく理解できました。

  3.准看護師養成制度

高水準の医療体制を引いているのであれば、医療従事者のスキルや経験も必要です。当然、医師と同様に看護師も外部からの人材を登用されているのと思いました。しかし、刑務官の中から准看護師を養成していると伺い、こちらも驚きました。と同時に、刑務官の方々の職務・業務領域が予想以上の広さになる事に、その大変さ・負担の大きさを痛感しました。

 

 次に、刑事施設の現状についてです。

  1.少年刑務所の現状

まず、収監されている受刑者の年齢が、20歳代後半までになっている点が意外でした。少年犯罪者数の減少で少年刑務所自体も閉鎖になっていることも、認識がありませんでした、日々接する報道からは、少年犯罪が増えている印象を持っていたからです。

2.医療刑務所の役割・現状

全国の刑務所から、重病・重篤な受刑者を受け入れているという役割は知っていましたが、受刑者の死亡後の手続きまで担っている点は、認識がありませんでした。特に、荼毘に付した後、引き取り手不在の遺骨の保管・埋葬までもが職務だという点は驚きでした。そして、現に30柱を超える遺骨を保管しているとの現状は、衝撃を受けました。

以上

 

 

次回は、9月に行います。

詳細は、6月初旬に大学からのお知らせにて配信します。

参観をしてみたい方は、奮ってご応募ください。

 

八王子医療刑務所参観(1)

http://www.yashima.ac.jp/univ/sp/blog/koseki/2017/04/1.html

八王子医療刑務所参観(2)

http://www.yashima.ac.jp/univ/sp/blog/koseki/2017/04/2.html

 

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