最終試験・科目修得試験の「試験」とは何か?
2022/07/20
6カ月コースの科目修得試験、第二学期(3か月コース)の課題が配信されている頃でしょうか。
8月に入ると最終試験や科目修得試験の提出期限が近づいてきます(夏期集中、3か月コースなどは除く)。
さて最終「試験」・科目修得「試験」の「試験」とは何でしょうか。
テキスト科目の場合は「課題」を1回ないし2回の提出が必須です。
これに合格することで科目修得試験の受験資格を得ることができました。
課題は、学習成果報告書に対して試験は、学生成果の測定になりました。
大学のスクーリング講義では考え方のヒントを先生方が講義をしていきます。
そのヒントより出題された問題に解答をしていきます。
私は、大学以外に専門学校でも演習(ゼミ)を担当しています。
専門学校と大学の違いは、前者は、どちらかというと「答えを示す」「答えを伝える」、これに対して後者は「考えるヒント」「考え方」を伝えています。よって試験においても前者は、「絶対的な解答がある問題」、後者は「模範解答は設定せず学生の考え方を示す問題」で設定をしています。
ここからは大学での試験レポートに関して簡単に考えてみましょう!
注意点
設問は何を求めている?
Q.罪刑法定主義について説明しなさい。
A1.罪と罰に関して示したものだと思います。
A2.罪と罰は、法律に事前に定められた考え方である。例えば、不遡及の原則、絶対的不定期刑の禁止などが含まれている。具体的に・・・・ ○
A1は、「~思います」→感想文
A2は、「~である」と説明をしている。=「~と解される」
論理的な文章
・非論理的な文章
法学科目の場合は、特に「法(的)概念」が大切になってきます。
単に専門用語の意味を理解せずに載せている場合、ネットニュースを正しく理解せず断定的な表現をしている場合、引用したものをばれないように無理な文章の加工を試みている場合などが挙げられます。
・条文を示して終わり
法学レポート(実定法)によくありますが、「○○○について説明しなさい」に対して解答『○○法第○条「XXXXXX」である』。これは、解答ではありません。ご自身で考えることが求められています。自分の言葉に置き換えてください。
最低限のルール
・剽窃
他人の書いた文章や考え方をそのまま自身の考えのように表現をすること。文章の表現の方法は、執筆者の独創性やアイディアに裏付けされています。良いレポートを作るために借りてくる場合は、ルールを守りましょう。
図書館で図書を借りる際に貸出手続きを行うかと思います。これに相当するものと考えると理由がわかるかと思います。
・文献表記
引用の場合 肩付番号 1)...
- 筆者『著書』(出版社、発行年)○頁
参考にした場合 肩付番号 2)...
- 筆者『著書』(出版社、発行年)○頁参照
- 筆者「論文題名」編者『収録著書』(出版年、発行年)○頁参照
引用した場合は語尾に何もつけない
参考にした場合は語尾に参照を付する
注意点:法律に著作権はありません。参考文献に『ポケット六法』(有斐閣、2022年)や『ディリー六法』(三省堂、2022年)表記は不要です。但し、○○条の前に( )又は〔 〕でその条文の要約を示しています。ここは、発行する出版社によって異なりますので、表記箇所を引用する場合は、文献情報を載せるようにしましょう。
参考Blog https://www.yashima.ac.jp/univ/sp/blog/koseki/2018/05/post-35.html
レポートを書く作業
・アウトライン作成
A4判コピー用紙などにアウトラインを描くのが良い。
最初から文章をWordやメモ帳に入力をするのではなく、どのような構成にするのか手書きでまとめるのが望ましいです。消しゴムを使わず、二重線で消すと最初にどのような形で考えていたかも残り、次への参考になります。
・文章の構成
序論:問題提起や仮説を示す
→問題提起は、課題に準じた学びの上での疑問のメモを作成する。
本論:
- テキストなどでどのように説明されていたか(客観的)
→事実に基づくこと
- 自身の問題提起や仮説を説明する(主観的)
→想いではなく事実に裏付けられる
結論:
- 客観的データと主観的データからの考えをまとめ、残った課題や展望を示す
文章の構成は、積み木です。だるま落としをしても崩れないように無駄を削っていきましょう。
・文字数
指定されている文字数を守りましょう。
担当科目「事例から学ぼう犯罪と心理」は上限を設けていません。本科目は、刑事ドラマ、映画を視聴してまとめる関係上設定をしていますが、映画やドラマのあらすじをまとめることに終われ、与えられた内容が薄い年もありました。
文字数には、文献リストが含まれない場合とそうでない場合があります。私の場合は、含みません。わからないときは担当する先生に確認をしましょう。
試験問題の事前公開
・事前公開の理由
科目によって期間中では準備が大変な場合は、公開をしています。例えば、「はじめて学ぶ裁判員制度」、「事例から学ぼう犯罪と心理」では、動画の視聴をしなければなりません。後者に関しては、ご自身で該当する動画(DVD等)を探し、借りる関係上、試験期間中も作業では間に合わないことが予想される場合は、可能な限り公開をしています。
・採点基準の公開
よく質問で寄せられてきますが「採点基準を知りたい」とありますが、前述の通り、試験は「測定」ですので、採点基準に倣って作成した答案レポートでは意味がありません。よって、採点基準は公開しておりません。必要があるものに限り、シラバスに公開することもあります。(本件に関しては教員によって考え方が異なるかと思います)
試験問題の種類
私が担当する科目では、科目によりますがレポートのみではなく、様々な課題を設定しています。例えば「世界の防犯入門」では、誰もが安心して利用できる公園デザインの描写(絵の上手下手は関係ない)、「家庭福祉論」は、乳幼児から児童期の人生すごろく作り、その他、静止画、動画、音楽、映画の視聴より考えるレポートやポスターの作成等、レポートが苦手な学生も楽しみながら学べる環境を作っています。
以上、簡単に試験レポートについてまとめてみました。
試験ですので、均衡性の観点より内容に対する質問にお答えできないことが多くあります。また遅延に関しては原則認めていません(別途、相談があり合理性が認められた場合のみ許可することはあります)。試験という学びの測定の観点よりも、与えられた課題に対してご自身で考えて解答をして欲しいです。
よいレポートをまとめる。その「良い」は、主観的な感想です。客観的に良いレポートを作成して欲しく思います。最低限のルール(段落で一マス空ける/句読点を使う/見やすさ/文献表記で手抜きにしない)を守ってください。段落が空いていないレポ―トをよく見ますが、急に内容が変わってしまいますのでわかりにくい印象を与えてしまいます。
読み手がいることを意識したレポートをまとめてください。
良いレポート、良い作品、焦りは禁物ですのでしっかりまとめ、一晩寝かして再チェックしてからの提出をしてください。
註)教員によって考え方は相違することがあります。その点はご了承ください。
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