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2017/01/22

専任講師の野口です。

八洲学園大学ではさまざまなテーマで公開講座を開催しております。今年度，本学に着任してから2つの講座を企画しました。そのうち「学校司書のための教職入門」はおかげさまで多くの方にご参加いただきました。来校受講，オンライン受講，オンデマンド受講の皆様，この場を借りてお礼申し上げます。

そして，本日からもう一つの企画講座「出版から図書館を考える」がスタートしました。

http://www.yashima.ac.jp/univ/extension/course/2016/07/post-464.html

講師は専修大学の植村八潮先生，野口武悟先生。それぞれ出版学，図書館情報学の分野の第一人者です。本学で司書資格を取得された方や現在，図書館に勤務されている方向けに，第一線で活躍されている研究者から「出版と図書館」について基礎の基礎からレクチャーしていただこうという，実に贅沢な企画となりました。

 

本日は講座開講にあたり，講師のお二人から講座の主旨，全5回の講座の概要をお話いただきました（向かって左が植村先生，右が野口先生）

 

本日のご担当は植村先生。「出版流通の基礎：「「読書」を取り巻く環境変化」，「本ができるまで：出版の果たす役割」と題して，ご講義いただきました。

私は何度か植村先生の講演を拝聴したことがありますが，毎回非常に濃密なお話を展開されるので，終わった後はいつも頭がパンパンになります。脳みそが痺れる感覚といいますか……それが非常に心地よい疲労感なのです。本日の講義もまさにそのような感じでした。話をまとめるのは困難なので，興味深かったところを項目のみ抜き出してみます。

・出版と図書館との関係

・「出版産業」の二重構造

・出版市場の実態……データで解説いただきました。テレビや自動車は販売金額を「出荷額」で示すのに対し，書籍・雑誌は「販売額」であること。それは何故？

・「読書離れ」は本当に存在するのか？

・出版業界の産業構造……編集プロダクションのお話が大変興味深かったです。それにしても，月に一冊も書籍を出版できない出版社が◯◯とは！！

・再販制度と委託販売……ベストセラー倒産の衝撃

・Communicationとしての出版

・「報道」のことを現在ではPressと言ったりしますが，そこに行き着くまでには深い歴史が。

・情報革命の発端は「CD-ROM」だった！

・出版社の大きな特徴……免許，登録，許可，届け出が一切不要！参入しやすいメリット。

・書籍出版の流れ……編集者は24時間編集者であれ。

・編集者と著者の違い…「0」から「1」を作り出す偉大さ。

・すべての本は読者がお金をつぎ込むからこそ出版可能になる

・信頼性・価値を担保する出版，図書館の役割

 

といった形で，濃密なお話が繰り広げられました。

 

「こんな講座があるなんて知らなかった」「参加しようか迷っていたけど，やっぱり受講すればよかった」と思った皆さま。本講座は申込みいただいた方はもれなくオンデマンド視聴が可能です（開講後1ヶ月間限定）

また，来週28日，29日の講座につきましても申込を受け付けております。28日（土）は野口先生より，「出版と図書館の関係」「アクセシブルな出版物の現状と課題」についてお話いただきます。29日（日）は再び植村先生にご登場いただき，「出版の電子化と電子書籍」について解説していただきます。最終コマは講師お二人で講座の総まとめとして，今後の出版を巡る課題について対談形式で論じていただく予定となっています。

司書資格取得のための学習をしていても，なかなか深く学ぶ機会のない出版流通のお話。この機会にぜひ学んでみませんか？

多くの方の受講をお待ちしております。申込みは公開講座のページよりお願いします。

http://www.yashima.ac.jp/univ/extension/course/2016/07/post-464.html

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