公開講座「出版から図書館を考える」受講感想をいただきました
2018/02/27
現在公開中の公開講座「出版から図書館を考える」を受講された学生Iさんから感想をいただきましたので、ご紹介いたします。
*公開講座「出版から図書館を考える」https://www.yashima.ac.jp/univ/extension/course/2018/02/post-464.html
おかげさまで本講座は好評をいただいておりまして、2月28日(明日)、追加のオンデマンド収録を行うことになっております。受講期間は3月末まで、申込可能期限は3月10日です。受講できる期間が残りわずかとなっておりますので、気になる!という方は上記のリンクから今すぐお申し込みください!
それでは、Iさんの感想です。本講座を受講することになった経緯についてもまとめてくださいました。
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【公開講座『出版から図書館を考える』を受講しての感想】
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まさに、図書館は、「出版」あるいは「出版界」とは切っても切れない関係にある、ということを身をもって感じた公開講座の集中講義6コマでした。
90分×6回の講座でしたが、内容的には、その倍以上の中身があったように思えました。
実は、ある日、受講している科目の先生方の過去のブログを見ておりましたら、野口久美子先生の2017/1/22付のブログのタイトル「公開講座『出版から図書館を考える』」に目を引かれました。
そして、内容を読んでみましたら、「毎回非常に濃密なお話」、「終わった後はいつも頭がパンパンに」、「脳みそが痺れる感覚」、「非常に心地よい疲労感」といった、非常に刺激的な言葉のあとに、講座のハイライトシーンともいえる部分が箇条書きでリストアップされていました。
(気になったことのほんの一部ですが、野口先生のブログより)
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・「読書離れ」は本当に存在するのか?
・書籍出版の流れ……編集者は24時間編集者であれ。
・編集者と著者の違い…「0」から「1」を作り出す偉大さ。
・すべての本は読者がお金をつぎ込むからこそ出版可能になる
・信頼性・価値を担保する出版,図書館の役割
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野口先生の感想、そして書き出してくださっておりました、上記のようなキーワード・キーセンテンスを見て、この公開講座は、是非聞かなきゃ!と思ったのでした。
しかし、公開講座は、既に終わっており、オンデマンド配信も終了しておりました。
事務局にご相談、リクエストをさせていただいたところ、3月までの期間限定で再開講をしていただけると、実に有り難くも快く対応いただき、6回の講座を受講することができるようになったのでした。
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■ 実際に受講しての感想 ■
植村先生のお話は、「出版流通の基礎/本ができるまで/出版の電子化」等でしたが、先生の早口での講義は、とてもテンポがよく(マシンガントークと言ってもいい!)、しかし情報の質、量ともに、非常に高く、話の濃さだけでなく、資料もとても充実しておりました。
一時、出版の業界に身を置かれたご経験からか、出版界の“裏事情”についてもお詳しく、また、先生は、電子書籍研究の第一人者でもあり、出版の電子化や電子書籍に関するお話も、まさに、最先端の内容で、しかもとても興味深く面白いものでした。
野口武悟先生の講義は、「出版と図書館の関係/アクセシブルな出版物の現状と課題」等の内容でしたが、たいへん落ち着いた語り口で、わかりやすく、内容も「出版界と図書館界」の関係をさまざまな切り口(問題)からひもといてくださり、これを知らずして、図書館で働いていていいのか、といった内容ばかりでした。
資料もわかりやすく整理され充実しておりました。
「日本子どもの本研究会」の会長をおつとめで、そのご経験からのお話、あるいは、ご専門の特別支援教育関連では「アクセシブルな出版物」についても詳細に語られ、とても参考になりました。
「公貸権論争」、「副本問題」、「貸出猶予問題」等は、司書を目指す者として、知っておかなければならないことと思いますが、とてもわかりやすく解説をしてくださいました。
私が刺激を受けた、あるいは面白いと思った具体的な中身の一端を紹介しますと、
《植村先生のお話》
- ○「Book」を巡る二つの訳語として、出版界では「書籍」と訳し、選書(図書館の世界)では「図書」と訳す。
- ○グーテンベルクは、神の言葉を1つに決めたので、100年くらい批判された。
- ○「編集はとても重要」で、ビートルズもジョージマーチンという優れた編集者がいたからあのくらい有名になれた。
- ○学術書が出せるのは、まさにマンガのお蔭。なのに、マンガを読むな!というのは己を知らないこと。(出版産業はコミックの利益に大きく依存している。)
- ○「出版の電子化・電子書籍」の回で、自動車を例に、イギリスでは、過去のイメージを新しいモノに押しつけた結果、自動車産業が生まれなかったことを引き合いに、図書館界では、新しいメディアの価値を認めないで、過去のメディアである「紙」にこだわりすぎていないか?
《野口武悟先生のお話》
- ○出版界と図書館界は一枚岩ではなく、出版界といっても、文芸系と学術系では、図書館に対するスタンスが異なる。
- ○出版界は本が売れない、図書館界は一部の人にしか利用されない、といった問題を抱えているが、どうしたら、「不読」層を読書に取り込めるか、出版界と図書館界はもっと手を携えて、この点を議論し対策を講じるべき。
- ○出版界と図書館がチカラを合わせてできること、その一つがアクセシビリティ。
ほんの一部ですが、印象に残ったことです。
最終回にはお二人の対談もあり、これも聞けてよかったという内容でした。
6回聞き終わった後も、もっと先生方のお話が聞きたい!、ほかにも続きを!と、まさに“心理的渇望状況”にあるといっても過言ではありません。
他にも、たくさんの知識や情報をこの集中講座から得ることができましたが、あまりお披露目してしまいますと、受講のインセンティブが下がるといけませんのでこのあたりでとどめておきたいと思います。
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八洲学園大学の司書課程では、15科目を学びますが、それらが、いわば図書館や図書館サービス、あるいは図書館情報資源に関する基礎的な科目だとすると、こと「出版」に関することは、いわば特殊講義、専門科目にあたるものかもしれません。
今回の公開講座は、その選択科目に入れるなどしてもいいような、できれば司書を目指す人ならば、全員に受講してもらいたいような充実した内容でありました、ということを受講しての感想の結びとさせていただきたいと思います。
野口久美子先生、開講のご尽力、有り難うございました。
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Iさん、こちらこそありがとうございました!
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