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野口久美子の研究室便り

「学校図書館総合演習」の授業をご紹介します。

2024/03/16

 こんにちは。司書科目担当の野口です。
 今回は2023年度秋期新規開講科目「学校図書館総合演習」について紹介します。本科目は学校図書館専門職養成応用プログラムの必修科目です。学校図書館の役割や課題を受講生一人ひとりが問い直し、発信できるようになることを目指しています。科目の概要は以下の通りです(抜粋)。

学校図書館専門職養成プログラム(基礎・応用)で習得してきた知識を活用し、学校内の知の拠点であり、探究的な学習の中心を担う学校図書館の役割を問い直すことを目的とします。また、各自の問題意識に基づき、文献調査等を行いその成果を発表する機会を設け、論理的思考力、課題解決能力、発信力を培うことを目指します。

 授業内容としては、(1)学校教育や学校図書館に関する重要なトピックについて学び、ディスカッションを行うこと、(2)受講者一人ひとりが学校図書館に関する探究テーマを設定し、文献調査等を行い、その成果をレポートにまとめ、プレゼンテーションを行うことを2つの柱としました。このうち、(2)の学校図書館に関する探究レポート課題について紹介します。

 本学では多くの科目でレポート課題が課されますが、設問は担当教員から提示されることが圧倒的に多いです。それに対し、本科目の探究レポートは「問い(学校図書館に関する探究テーマ)」を学生自身が設定することから始まりました。受講者の皆さんには自分で探究してみたいテーマを予めいくつか考えておいてほしいと伝え、授業初日にそれぞれ持ち寄ったアイディアについて、担当教員(野口)と受講者同士で意見交換をしました。その後、一月ほど時間を置き、再び授業内で中間報告として、最終的に決定した探究テーマとテーマに関する先行研究、今後どのように探究を進めていくかを報告していただきました。その後は各自で探究を進め、担当教員(野口)に適宜進捗を報告しつつ、レポートにまとめる作業を2ヶ月ほどの時間で行い、最終回で各自の探究についてプレゼンテーションと質疑応答を行いました。

 学校教育や学校図書館に関わりのある方なら既にお気づきかと思いますが、本科目において探究レポートを課した理由の一つに、「学校図書館専門職を目指す方々に児童生徒が行う探究的な学習を経験してもらいたい」ということがありました。学校図書館は学習センター、情報センターとして、探究的な学習の指導・支援に関わりを持つ必要性については言を俟ちません。しかし、司書教諭や学校司書としてその指導・支援に携わる方の中で、探究的な学習を実際に経験している方はどのくらいおられるでしょうか? 実際に探究のプロセスを経験することで、児童生徒の躓きや迷いを理解することができるでしょうし、探究的な学習を指導・支援する際に自身の経験を踏まえた実際的な助言が可能となると考えました。私は6名の受講者の探究に伴走してきたわけですが、問いを立てる段階、情報を収集する段階、集めた情報を分析したり検討したりする段階において、本当に色々なことがありました。自分の中で探究したいことが漠然としていてなかなか問いの形に落とし込むのが難しかった方あり、探究のプロセスの中で問いの方向性を若干変更した方あり、納得の行く成果が得られず、別のテーマに変更すべきか?と悩んでしまった方あり。平日は仕事で学習する時間を確保するのが難しいので、日曜日や年末年始に集中してレポートを書き進めた方もいらっしゃいました。難儀したり、試行錯誤したり、諦めたくなったりした、その過程こそに多くの学びがあったのではないかと思います。

 それでは、今期の受講者6名の探究テーマをご紹介します。どれも魅力的なテーマではないでしょうか?(探究の成果を公表・共有する場がないのが少々残念です)

  • Aさん「特別支援学校(知的障害・肢体不自由併置校)での言語活動を充実させるためには学校図書館はどのような支援ができるのか」
  • Bさん「知的障害者・児がコンサートや音楽鑑賞会を楽しむために、図書館司書が出来ることとは何か?~図書館司書によるLLブック制作を視野に入れて~」
  • Cさん「学習・授業活用の場であり探究学習の拠点としての学校図書館の環境づくりを考える」
  • Dさん「学校図書館での生成系AIの利活用 −現在と未来−」
  • Eさん「埼玉県の司書職採用が復活したのはなぜか? ~その要因を探る~」
  • Fさん「学校図書館向けの出版業界に勢いがみられないのはなぜか~図書の質的整備に向けた選書の仕組みの考察~」

 本科目では、各自の問題意識に基づき、探究を行っていただきます。学校図書館の実務に関わる中で解決したい課題がある方、学校図書館について学ぶ中で掘り下げて考えてみたいことがある方、是非、「学校図書館総合演習」の履修をご検討下さい。本科目は学校図書館専門職養成応用プログラムの必修科目に位置づいていますが、応用プログラムの学びの集大成として履修していただくことを推奨します。次の開講は2024年度秋期を予定しております。
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