【活動報告】学習会報告(9月)
2024/10/14
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学習会活動報告
2024年9月14日 20:00~21:30
参加者:5名
実施方法:Google Meet(オンライン)
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リカレント研究センターでは毎月1回研究員がオンラインで集まり、指定図書をもとに内容を要約・議論し、理解を深めています。今年度は、近藤克則著『研究の育て方-ゴールとプロセスの「見える化」』(医学書院 2018年)を読んでおり、今回の学習会では第3章「研究の種類の選択」について、担当者から報告がありました。
第3章「研究の種類の選択」(報告者:O)
1 テーマ:研究を設計(デザイン)する
研究を行う際には、さまざまな種類やタイプの中から、自分が進めるべき研究を「意図的」に選択することが求められる。そのために、各研究の種類・タイプについて、長所や限界を理解することが重要である。
2 研究の種類①
・基礎研究・・・純粋科学、普遍的な法則を解き明かすことを目的とした研究
・応用研究・・・現場をフィールドとして行われる、実践的な研究
・橋渡し研究・・・基礎研究と応用研究をつなぐ役割を担う研究
3 研究の種類②
・理論主導・・・理論が先行している研究
・データ主導・・・データを基にして進める研究
4 まとめ
・研究の種類に優劣はない。
・各研究の種類・タイプの強みや短所、限界を理解することが重要である。
・ある程度検討したら、まずは研究を始めてみることが大切である。
全体討論
上記研究の種類①及び②について、各自が取り組んでいる研究の種類とその選択理由を共有した。討論を通じて、研究の進め方に対する理解が深まった。また、研究の進捗状況や悩みの共有を通じて、自分の研究に不足している点や、ロールモデルの重要性を再確認する有意義な機会となった。
(執筆者:K)
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論文購読会
2024年9月22日 18:30~20:00
参加者:5名+教員
実施方法:Google Meet(オンライン)
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第一報告(報告者:U)
研究員が、山鹿貴史(2024)「保育者養成校におけるICTを活用した指導案作成の試み」『八洲学園大学リカレント研究論集(4)』について、報告し参加研究員で検討しました。
本研究においての背景や目的は、
・これから保育者となる学生に対して教育カリキュラムの中で情報教育やICTを用いた保育活動の学習機会の保証の必要性。
・ICTを活用した保育指導案作成の取り組みを振り返り、今後の教員・保育者養成でのICT活用教育の在り方の考察です。
研究の結論として次のことが示されています。
・教育課程においてICTの活用の一層の充実
・保育士試験にけるICTに関する知識や技能の有無を確かめること
・離職保育士等の就職に際してリカレント教育やICT活用能力の再教育が重要
・ICT利活用について積極的に現職教育・リカレント教育などで行う必要性
そこで、上記のことを中心に研究員で検討してみました。その結果、保育現場のICT化が進んでいない背景にあることの一つに補助金や予算が十分でないこと。保育者の待遇について、地方自治体によっては、保育者の仕事に対する相応な賃金が支払われていない実情があることが明らかになってきました。これからも、保育者養成について多面的・多角的に研究していく必要性を感じました。
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第二報告(報告者:A)
浦田誠一「感動教材としての絵本~道徳教育の授業実践から~」(『リカレント研究論集(3)』、2023)
(内容):本研究は、絵本を使う道徳の授業と教科書を使う道徳の授業の比較を通じて、小学4年生を対象とした絵本を使う道徳の授業は、彼らの道徳的判断・道徳的実践意欲態度を培うことにつながるかを明らかにする。
そして、以下の2点が結果として明らかとなる。
・教科書よりも絵本の提示の方が、児童は資料に興味を持ち、ひとりひとりが考えを深めることにつながる。
・教科書よりも絵本を使う授業の方が、児童は「友だちの意見を聞いて自分の考えをより深め、進んで話し合いに参加し、楽しい授業を体験できた」と感じる。
討論では、DAISYを用いた今後の授業展開や教育現場でのDAISY教科書の使用が話題となった。また論文を読む際、著者が伝えたい事、大切にしている事を正確に読み取る重要性を研究員と教員(センター長)で確認した。
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第三報告(報告者:W)
今回自分にとって初めての論文講読発表では、浦田誠一「支持的雰囲気がもたらすよりよい学級経営」に関する研究論文を取り上げました。この研究は、道徳科の授業における資料提示方法の比較を目的としており、絵本と教科書を用いた授業実践の評価を行っておられます。結果として、絵本を使用した授業が児童の道徳的価値観を深め、興味関心を向上させ、自己理解を促進する傾向が示されています。
発表では、以下の点について報告しました。
1. 絵本を用いることの効果 絵本は視覚的要素を含み、物語を通じて児童が自然に道徳的価値観を理解しやすくする効果があること。
2. 具体的な授業実践 絵本「ともだちをたすけたゾウたち」を使用した授業で、児童がポジティブな反応を示し、道徳的価値の理解が促進されたこと。
3. 授業展開の違い 絵本を用いた授業は児童が主体的に参加しやすく、教科書を用いる場合は固定的になりがちであること。
4. ルーブリック評価の導入 児童の道徳的理解や行動を評価し、学びの進捗を可視化するためのルーブリック評価の具体的な方法とその効果。
しかし、発表後のフィードバックでは、論文の内容の報告に終始するのではなく、他の論文とも比較して良い点や特徴、批判すべき点を分析して発表するべきだとの批評・指導を受けました。
今後の発表では、他の研究と比較し、研究の独自性や改善点をより深く掘り下げることに努力いたします。
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