災害心理
2024/01/18
【新年のごあいさつ】
本年もよろしくお願いいたします。
能登半島地震の被災者のみなさま、心よりお見舞い申し上げます。
さて年始めに大きな震災や羽田空港での事故などが起こり、一気に不安と緊張で
気持ちも沈みそうでしたね。
ですが、箱根駅伝をはじめ、さまざまなスポーツを通して若い方々ががんばっている姿を
みると、元気や勇気をもらえるようでした。
さて、今回も地震直後のニュースでくり返し避難を呼びかけていましたね。
災害が起きた時に私たちはどのように考え、行動するでしょうか?
≪災害時の心理≫
心理学には「災害心理学」という研究領域があります。
災害心理学とは、災害に対する人間の心理的な反応や行動など、災害と人間心理の関係を研究したものです。
イギリスの心理学者ジョン・リーチ博士の研究によると、運悪く不意の災害に見舞われた時、人の取る行動は次の三つのカテゴリーに分かれるとされています。
1、落ち着いて行動できる人=10~15%
2、我を失って泣き叫ぶ人=15%以下
3、ショック状態に陥り呆然として何もできない状態になってしまう人=70~75%
落ち着いて行動できる人はわずか15%。
学校のクラスに40人いればそのうちの6人しか落ち着いていないことになります。
また何もできない人は75%。
つまり40人中30人が何もできない状態ということになります。
この何もできない状態になってしまうことを「凍りつき症候群」といいます。
目の前で経験したことのない事象が急激に変化・展開することについていけず、 脳の認知的情報処理機能のプロセスが混乱し自己コントロールを失ってしまうことによるもの。その結果、心・身体・行動が凍りついた状態になって凝結してしまう。
簡単にいうと、経験したことのないことが目の前で起きると、頭のなかで情報処理が追いつかずに混乱してしまう結果、何もできなくなってしまうということです。
ということは?
日ごろから災害発生時を想定し、避難訓練などを繰り返し行うことで、混乱して何もできなくなる、ということを防ぐことができます。
つまり災害事態になったとき、自分がどのような状態になるかをイメージすることがポイントになりますね。
≪災害時に人は何を思うのか≫
その他に、災害が発生したとき人間はどんな心理状態に陥り、行動してしまうのかというと、
◇正常性バイアス
「普段の生活の範囲内の出来事。自分は大丈夫」
多少の異常事態が起こっても、それを正常の範囲内としてとらえ、心を平静に保とうとする傾向性
◇確証バイアス
「前回、警報が出たけれどたいしたことはなかった。だから今回も大丈夫に違いない」
自分がすでに持っている先入観や仮説を肯定するため、自分にとって都合のよい情報ばかりを集める傾向性
◇多数派同調バイアス(集団同調性バイアス)
「みんな避難していないから自分も避難しなくていいだろう」
どのように行動してよいか迷ったときに、周囲の人と同じ行動を取ることが安全と判断する傾向性
災害時には「冷静に落ち着いて行動しましょう」とは言われますが、なかなか思うようには
できないものです。
日ごろから災害時を想定し、しっかりとリスクマネジメントをしていきましょうね。
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