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渡邉達生の研究室便り

電話をかける(掛ける)

2005/06/24

「電話をかけるときの<かける>を<건다>(コルダ)と言います。壁に絵をかける時の<かける>も<건다>と言いますが、何ででしょうね。」
厳先生は、みんなににこやかに話しかけました。6月24日の韓国語講座の最中のことです。

日常的に、何の疑問も持たずに使っている言葉に、時として疑問を感じます。この時もそうでした。かける…、このかけるは、漢字で書くと<掛ける>でしょう。その掛けるが電話をかけるに用いられるとはどういうこと…。待てよ、昔の電話は壁に取り付けてあった。受話器もかけるものだった。だから、電話をするのを、電話をかけるというようになったのでは、と言うと、厳先生曰く。「でも、それだと、話し終わってから受話器をかけることになるから、逆ではないですか。」この切り返しに、ふうむ。英語でも、掛けるという意味のhangを使って、hang upというと、受話器を置く・電話を切るという意味になります。では、どうして、電話を掛けるということが、電話をするということになるのでしょうか。こうなったら、辞書を引いてみるしかありません。

講座が終わってから、広辞苑(岩波書店)を引いてみました。すると、掛けるが、たくさんの意味で構成されていることがわかりました。日ごろ、無意識につかっている言葉が、見事に整理されていました。広辞苑の編者の新村出先生のご尽力のおかげで、私たちは考えを整理することができます。<掛ける>の意味は多くの項目ごとに整理されていました。その中で、「ある作用を相手に向ける」という項目の中に、事例として、次のものが紹介されていました。「徒然草…あやまちすな。心して降りよと言葉をかけはべりしを。」「知らない人から声をかけられる。」「電話をかける。」「催眠術をかける。」「夜襲をかける。」これで、相手に対して何かをしようとするときに、掛けるという言葉を使って言い表すことがわかりました。

言葉の奥は深いです。しかし、言葉があって人があるのではなくて、人があって言葉ができたのです。その言葉ができたのには、信じられないほど多くの年月と献身的な人々の営みがあったことでしょう。それを、当然のごとく使っているわたしたちは、言葉の根源を忘れがちです。言葉のありがたさを知る意味でも、そして、人類の英知に触れる意味でも、言葉の意味を、時としてふりかえりたいと思いました。
【追伸】
先ほど、広辞苑という辞書を引きました。ところで、どうして辞書で調べる時に、<辞書を引く>というのでしょうか。「引く」という言葉に秘密がありそうですね。これは、またの機会に調べることにしましょう。だれか、率先して、調べてみませんか。

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