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渡邉達生の研究室便り

努力

2006/05/24

努力について、次のカードを作りました。

努力とは大切なことです。しかし、あまりに努力が強要されると、事態は思わぬ方向に向いてしまいます。

夜のニュースで、某ニュースキャスターが嘆いていました。社会保険事務所が、法律の規定に反し、本人の申請なしに、国民年金保険料の免除や猶予手続きをとっていたとか。それが、全国で数万人に及ぶと。未納率を減らし、納付率を向上するための一環だとか。

...国民年金保険料の納付率を向上させようと努力をする。それは貴いことです。しかし、その努力が何のために行われているかを自覚していないと、結果のみを求めることに関心が行き、ついにはこのように嘆かわしいことになってしまうのではないでしょうか。

近年の子どもたちもみても、結果を求められていることが多いような気がします。努力に結果はセットされているものではありません。人は結果を目標に努力はしますが、結果を求めて汗を流している姿こそが貴い行為です。はつらつとして毎日を過ごすことができます。それが、何よりのはずです。その中から、未来への希望や夢を感じとれていくはずです。

  子どもにいろいろな結果を求め続けると、それがかえって子どもの自信喪失につながらないとも限りません。がんばっている姿こそが貴いことを、子どもに伝えて欲しいと思いました。「いい汗をかいているよ。」「何かに取り組んでいるときの目って、とても素敵だよ。」「そういう姿を見ていると、何だか、元気がわいてくる。」「だから、がんばることは、いいことなんだ。」「がんばることは、生きていることの証明をすることかな。」
困難であることに向かう姿勢が、自分をつくってくれています。

   近年は、子どもの努力が親の価値観のもとにできているような気もします。親が、子どもに、このようなことをがんばらせたいと思うことで、子どもの目標を設定するというものです。それも、ある程度までは必要でしょう。しかし、そこには、親の、大人のしての論理があります。...それができるようになると、将来のためになるよと。だから、できないと困るし、できないと、評価をもらえないのでしょう。子どもが、自分自身で、困難な目標を抱いたのであれが、努力の結果、その目標は実現できなくても、そこに向かっていった自分を将来にわたって誇れるはずです。

数年前、東京の科学技術館に行ったことがあります。そこで、ホーバークラフトの工作の実演があり、実際にできたものを動かしていました。ホーバークラフトとは、地面や水面の上を浮かんで動く乗り物です。その、工作されたものが、右に左にと動く様を見て、わたしは感慨ひとしおでした。

なぜか、それは、わたしが子どものころ、何度も挑戦しては失敗していた工作物だったからです。見ると、発砲スチロールで軽い機体を作り、小型化されたモーターと電池が使用されていました。わたしの子どもの時代には、無かった物です。当時は、木材を薄く削り、プロペラの角度や大きさを工夫して、動力としては当時市販されていたモーターや電池を使うしかありませんでした。かなうはずもないことに向けての、挑戦の日々だったのです。しかし、その挑戦は、今でも、心地よいものとして残っています。そこに、努力の意味があるのだろうと思います。

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