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渡邉達生の研究室便り

生命力

2009/09/06

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 桑の木が三階建ての校舎と同じくらいの高さに背を伸ばし、秋の斜光を浴びていました。この桑の木の下にある研修室で、二か月に一回ほどの間隔で論語の研修会を始めて20数年がたちます。
 今から十数年前のある日、その教室の窓の外に小鳥が止まってしっぽを動かしていました。それから、数ヶ月、大地に芽が出ました。ときおり見るその芽は、やがて桑の木だということがわかりました。
「その木は残しておいてやれよ。」
 草刈り作業をしていた人の話が聞こえたこともありました。それにしても、このように背を高く伸ばす桑の木は、めずらしいです。いろいろなことが重なって、この木はここに在ります。

 さて、先週の土曜日の午後、その桑の木の下にある研修室で、数十回目の論語の研修会が始まりました。その中で次の、孔子の言葉が出てきました。
「死生命有り、富貴天に在り。」(顔淵第十二)
 司馬牛という人が、兄が死ぬことを嘆いていたとき、子夏という孔子の弟子が、司馬牛の心を安らかにするために、孔子の言葉を引用して、ことの道理を説きました。そのとき引用した孔子の言葉です。この孔子の言葉を、朱子が、次のように説明しています。

「命(めい)は有生の初めに稟(う)け、今のよく移すところに非ず。天は、これを為(な)す莫(な)くして為(な)す。我の必(ひっ)する所に非ず。ただ、まさに順(したが)い受(う)くべきのみ。」

 この言葉の意味を...生命は、生まれたときに天から授けられたものであって、今、自由勝手になるものではない。天は作為をもってそうしたのではない。生命は、わたしがこうしたいと思っても、必ずそうできるものではない。ただ授けられた生命を精いっぱい生きるところに生命が在る。...ではないかと読み解いたのでした。

 そのとき、ふと窓の外にある、あの桑の木が目に入りました。そして、桑の木の生きる姿が、まさにその通りだと思いました。あるとき、桑の実を食べた小鳥が飛んで来て窓の外に種を排出し、その種が何らかの作用で土の下に入ったところから、桑の生命は活動を始めたのです。そして、与えられた生命を精いっぱい生きています。

 授けられた生命を精いっぱいに生きていく...ここに、生命を大切にしている姿があります。自分の生き方が果たしてそうであるのか、反省することしきりで、桑の木に教えられたのでした。

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