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渡邉達生の研究室便り

礼儀の価値

2009/09/11

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先週の日曜日、お祭りの「のぼり」が立っていました。秋祭です。のぼりには「祭礼」と書いてあります。ここに、「礼」という文字があります。この、お祭りの中の「礼」に、意味を感じたのは十数年前のことでした。

 もともと、子どものころから、お祭りは、どうしてお祭りなのかと、とりとめもないことを考えていました。ふるさとでの祭りでは、神社に集まって大人たちは獅子舞を舞いました。子どもたちも獅子舞の前で「うちわ舞」を舞いました。見物する人たちの前で、獅子舞やうちわ舞を舞うことがお祭りだと思っていたのですが、何だか今一つ、理解が進みませんでした。

 で、今から十数年前、「礼」は簡略化した文字で、もとは「禮」という形であったことを知りました。礼と禮ではイメージが違います。禮はなかなかに美麗です。「へん」は、「示」となっています。禮は、示すこと、示されること、にかかわるのです。いったい何を示すの?何だか興味がわきます。そこで、「示」の文字の成り立ちを調べると、台の上に-が乗っている形から示の形になっていることがわかりました。台は神を寄り付かせるためのものだというのです。だとすると-は寄り付いた神の形であり、示という形で、神が寄り付いたことを表現しているのでしょう。示されているのは神の存在ということになります。また、禮の「つくり」は、「豊」です。これも、「豊」の文字の成り立ちを調べると、台の上にお酒をのせている様子を表した形であるらしいのです。このことから、禮は、寄り付いた神にお神酒をささげ、それをいただくときのことではないかということが考えられます。それが、お祭りのときにありました。

 子どものときの、お祭りのときの様子を思い出してみると、神主さんが、いろいろな動作をした後、うやうやしく、お神酒をささげ、いただいていました。神はおごそかな存在です。お神酒をささげたりいただいたりするには、神をあがめるための作法がありました。みんなが見守る中で、作法にのっとった振る舞いをすることによって、神との対面という一大行事は整然と行われました。みんながその作法に価値をもっていたから、心を一つにすることができたのです。作法は人々によって大事に伝えられてきました。地域の人々はそれを守ることによって、地域社会に共に生きる連帯感を感じていたことでしょう。それが、社会秩序の形成になっていました。
 
 そのように、昔から伝えられていることに価値をもつことによって、人と人との間に心を通わせることができます。それが伝統の力であり、禮を使った言葉、礼儀、の価値をそこに見ることができます。あいさつがそうです。服装もそうです。

 そのことに気づいて以来、仕事場ではネクタイをするようにしました。当時、職場は小学校でしたが、子どもたちの前でも毎日欠かさずにネクタイをしめるようにしたのです。子どもに礼を尽くすことが、子どもとの学び合いの基本だと思ったからでした。それによって、自分の気持ちに落ち着くところができました。すると、気持ちが楽になりました。首をしめつけて楽になるのですから不思議です。人は、社会的なかかわりの中に落ち着くところを得ることによってこそ、自分の生き方を進めて行くことができます。

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