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渡邉達生の研究室便り

美しさ

2009/09/14

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 わたしたちは「美しい」という形容詞を使うことがあります。そのとき、美しいという言葉を使って、自分の心の内にある、何を表現しているのでしょう。
 
 家の近くの川面を見ると、この頃では、黄色くなった桜の落ち葉が浮かび、ゆったりと流れて行きます。その流れを見ていると、ずっと下流まで歩いてみたくなりました。地図を見ると、川沿いに道はあります。そして、はるか下流で大きな川に合流しています。その合流地点の近くに電車の駅があります。そこまで歩いて行けば、帰りは電車で帰って来ることができます。

 昨日の日曜日、それを決行しました。午後1時半出発。心ははずみます。30分のところまでは、来たことがありました。そこからは、いよいよ未知の道です。今まで車で通ったことのある大通りを横切ったり、乗ったことのある電車の線路の下をくぐったりと、知っていたはずの場所も、違うルートからたどり着くと、なんだか別世界です。途中には、川の水を引き込んでの釣り堀や公園もあり、多くの人たちが楽しんでいました。お祭りの神輿にも出会いました。まさに天下の日曜日。しかし、2時間を経過した頃から、あたりを楽しむ余裕はなくなり、目的地はまだかと、歩き終えるときが来ることをひたすらに望むようになっていました。そして、地図を頼りに歩くこと3時間。やっと、めざす駅の前に到着。まずは、ほっとして、座り込んでしまいました。

 気がつくと、太陽は斜めに、強烈な光を投げかけています。今まで、歩くこと、目的地に着くことに精一杯で、心は張り詰めていました。その我執がなくなったところに、この写真の光景が飛び込んできたのです。人々の生活を照らし終えた秋の陽光は、橋の欄干の向こうに、静かに消えようとしています。それは、あたかも、道行く人々の、一日を過ごした荒々しい心を鎮めようとしているかのようでした。美しいと思いました。

「美しいものに触れ、すがすがしい心をもつ。」これは、小学校学習指導要領の、低学年で示されている道徳内容です。中学年は「美しいものや気高いものに感動する心をもつ。」で、高学年は「美しいものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつ。」です。「美しいもの」に触れること、そして感動できる心を育てることが、心の教育にとって欠くべからざることなのです。それは、人が人となっていく大きな要素となるのでしょう。

「美しい」という言葉の「美」には、「よい」「りっぱな」という意味があります。美談、美徳、などの言葉は、その意味を使った言葉ですが、美という言葉を用いるとき、そこによいものがあることを言おうとしています。美しいものに触れ、美しいものに感動するのは、心が、それを求めているからであるのでしょう。

 季節は秋。先日、彼岸花を見ました。日陰に、ひっそりと咲く姿に、何だか心を寄せられました。これから冬にかけて、自然の景色が様々な「美」を授けてくれます。それらに心を遊ばせながら、自分の求めているものを探してみると、心の中は、さらなる深まりを見せてくれることでしょう。

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