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渡邉達生の研究室便り

どんぐり

2011/05/31

どんぐりの芽育つ.JPG

 どんぐりの芽がたくましく育っています。若芽は、昨日の台風の余波の、時おり吹く強い風に細い茎を揺らせ、幼いながらにも、自然の中でたくましく育つ過程を垣間見せてくれました。
 思えば、昨年の秋、近くの公園でどんぐりを拾い、ヤジロベーをつくって、その残りを植木鉢に埋めたのでした。
 少々、気がかりがありました。それは、土に埋めるにあたって、中に入っているかもしれない虫の害を防ぐためにどんぐりを水につけたのですが、それが過ぎたことでした。一晩つけておくつもりが、気がついたのが一週間後。あまりにも、つけ過ぎてしまいました。真っ黒に変色している姿を見て、もう生命の源は絶たれたのかもしれない、捨てようかとも思ったのですが、何十年ぶりかでどんぐりを拾ったこと、そして、それを植えようとしたことを大切にしようと、万に一つの可能性にかけて、二個の植木鉢に、八個のどんぐりを埋めたのでした。それから、はかない望みか...と思いながらも、ときおり植木鉢に水をかけていました。ところがどっこい、冬の間、どんぐりは、地中で命の灯をともし続けていたのです。
 4月の終わり、ふと、気になって、植木鉢を見ると、芽を出しているではありませんか。そして、一ヶ月の間に、次々と8本の芽が出てきました。当初はさわやかな若草色であった葉っぱがこの頃赤く焼けてきたのは、紫外線のためでしょうか。UVカットの日差しよけが必要かな...。いやいや、それが過保護というものなのでしょう。

 子どものころ、大ききな、真ん丸のどんぐりは、欲しいものの筆頭でした。ビー玉の代わりに、地面を転がして遊ぶのです。
 その遊びの準備として、地面に、一辺が約2mの正方形になるように4角に一つずつと、中央に一つの浅い穴を掘りました。そして、ジャンケンをして、勝った人から順に、真ん丸いどんぐりを転がし、中央の穴に入れます。入ったら、四隅の穴に、次々と転がしては入れていきます。穴に入らない時には次の人に代わります。このようにして、互いに自分のどんぐりを進めていきます。どこか、ゴルフに似ていますね。そして、最後に、再び中央の穴に入ると、そのどんぐりは「キラー」になります。他の人のどんぐりに当てると、そのどんぐりをもらえるのです。ここはゲートボールに似ています。おもしろいです。

 どんぐりを転がすにはルールがありました。「どんぐりを持った手を地面から離して転がしてはいけない」というものです。手を地面につけたままどんぐりを転がすには、手の甲を地面につけ、てのひらを上に向けて、中指を丸め、中指の爪と親指の間にどんぐりを挟むようにします。そして、ねらう方向へ向けて中指をはじくのです。このようにしてどんぐりがまっすぐ進むには、熟練の技が必要でした。その技を先輩に学ぼうとしました。先輩の華麗な技を見て、いつかはあのように...との思いが、遊ぶことをますますおもしろくさせてくれたのでした。

 本来、この遊びはビー玉を使って遊ぶものでした。でも、学校にビー玉を持って行くことは禁止されました。それなら...と、子どもたちはビー玉の代わりに、山にあるどんぐりの中から、真ん丸いどんぐりを探し出し、活用したのです。真ん丸いどんぐりは、ありそうで、なかなか見つかりません。でも、子どもたちは、タフでした。山に入っては、真ん丸のどんぐりを見つけて、学校に持って行ったのです。そして、校庭のかたい地面に靴のかかとをグイと押し付けて回し、浅い穴を五つ掘りました。すると、そこには、すばらしい世界ができました。あのころが懐かしく思い出されます。

 このように、子どものとき、心をひかれた遊びの体験があると、それがもとになり、ふるさとを思う気持ちに発展します。いい、ひと時です。つらいとき、心がふさがっているときにも、心に落ち着きが生まれます。子どものとき、自然の中で遊ぶ体験をすることの意味を、今、感じます。おそかったかなあ。

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