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渡邉達生の研究室便り

コインに人生の意味を知る

2011/08/14

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財布の中には、たいていコインが数枚入っています。電車の待ち時間などの所在無げなとき、そのコインに活躍してもらっています。コインには製造年が刻印されています。その年を見ては、その年のわたしを思い出してみるのです。当時の苦節は、時を経ると、かわいらしいものになっています。
思い出の使者となったコインは、その年よりも古いものが来るまでは、机の上に鎮座。で、今のわたしの机上には、写真のようにコインが並んでいます。それぞれのコインが、今のところの、古さのナンバーワンです。

 1円玉は昭和40年。その年、高校1年生。
 高校に入学したころは、農村の中学から町部の高校に入って、あまりの環境の違いについて行けず、何かに追い立てられるような、落ち着かない日々を送っていました。
そんなある日のこと、生物教室の窓から外を見た先生が、外に咲いている白い花が「卯(う)の花」だと、教えてくれました。そして、「夏は来ぬ」という歌があるだろうと...、何気なく言いました。その言葉が心に染みました。
 そう、「夏は来ぬ」という歌があり、その中に、「卯の花 におう垣根に ホトトギス...」という歌詞がありました。そして、中学校での音楽の時間、先生の伴奏に合わせて友達と一緒に歌った...、その勉強の時間があったことを思い出したのでした。中学を卒業してからは、新しい現実になじめずあくせくしていました。高校の先生も、そこらあたりの心の事情を和らげようとしてくれたのでしょう。教室の窓の外の自然に目を向けさせてくれました。卯の花を見ていると、中学校の時のことを思い出し、元気がわいてくるようでした。今から、四十数年前の出来事でした。高校の先生に、感謝。

100円玉は昭和42年。その年、高校3年生。受験勉強の合間に図書館に通って読書。吉川英治『宮本武蔵』、五味川純平『人間の條件』が印象的。図書館の方に感謝。

10円玉は昭和45年。その年、大学3年生。部活にあけくれていた頃。宮崎の空がとても青かった。日本武道館で試合もした。ともに若さをぶつけた部員の方々に感謝。

50円玉は昭和46年。その年、大学4年生。トラック運送の助手や、レストランのウエイターのアルバイトで社会勉強。ひと足早く、大人の世界を知りました。お世話をしてくれたトラックの運転手さん、課長さんに感謝。

5円玉は昭和48年。その年、岬の小学校へ教師として赴任。舟の櫓の漕ぎ方を習う。たて笛を必死に練習。漁師の方、音楽の先生に感謝。

コインはその年に製造されて以降、人と人との間を行き交い、人の人生にかかわって今に至ります。わたしも、その年に人にお世話になり、よい経験をつませてもらって今に至ります。コインに事寄せながら、自分を支えてくれた人に感謝をすることで、自分の生きる意味を知ることができます。みなさんも、試してみませんか。思い出は思い出してみると、前に進む力となります。その思い出を思い出すきっかけが、財布の中のコインにあります。
 
 追伸、渋滞待ちの車の中で、コインを使って親子での人生トーク、どうでしょう。

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