本学で教授をされていた赤沼幸子先生の本が、刊行されました。
『本当は良い子になりたい ― 絶望を問題行動で訴える子どもたちから学ぶ』 (子どもを育てる101の提言)
先生は、永年、千葉県警で少年補導に従事されていました。その体験をもとに、子育てのためのアドバイス101を集めたものです。
先生は昨年の２月から病気で休職、３月には退職をされ、病気の治療に専念されていました。その、３月１１日、東日本大震災がありました。先生は、宮城県石巻市の出身です。大震災による故郷の現状を知り、自分にできることは何かと考えたそうです。そして、病床にあってできることとして、自分が取り組んできた青少年教育についての情報を知らせる本を書き、その本の収益を被災地に送るという計画を立てられました。
その後、日々、病気を押して執筆活動に励んだのでした。しかし、１０月、とうとう、帰らぬ人となりました。その遺志を、長女の鈴木さんが引き継ぎ、残された原稿を自費で本にしました。
目次の、項目を以下に紹介します。
第１章 悩む青少年に
ひとり立ちの時 悩み わずらわしいことをやる あきらめる時も 気疲れのわけ 苦しいとき 自然の中で感性を磨く 言葉にしよう ひとの話を聞く 自己主張をしよう 夜型生活 異質なものとの出会い 人間にとっての遊び ミスをたくさん 経験しよう 弱さを出す 自分を語る 休み休み 期待は怖い あいさつ 興味を持つ ひとを好きになろう 情性を育てる つらさを耐える人に 喜びの貯金 逃げるが勝ち 人とつながる 挫折に弱いのは 一つだけのものさし 体験の蓄積 あこがれの人 「好き」の貯金 ひとを許すということ 不安感 再出発
第２章 子育て中の両親に
本当は良い子になりたい 手本 核家族 身体を動かす遊び 先回りしない 泣かれても妥協しない 待たせる ムダの効用 謝る時も 肌と肌の触れ合い 「警察につかまるナ」 愛するということ 過干渉 弱音をはく時に 「イヤだ」と言える子 お受験 母親への恐怖心 人生を楽しむ 父親について 代理戦争 一人の存在 無視 成績表 盗み 父親の左遷 ガンコなわけ うそつき 泥んこ遊び 再非行 手仕事 テレビを消して 安心感 待ってもらえると 無気力なわけ ケンカは止めない きょうだいの力 距離を置く 世間体 体罰 任されると 母子密着とは 良い聞き手 おしゃべりを止めない 家に帰りたがらない娘たち 「出て行け」という言葉 学校の評価にとらわれない 競争が好き ロウソクの灯 じいさんばあさん
第３章 教師と地域の人々にそして思い出
勉強をわかりたい 一人ぼっちの子 前兆 希望があれば 学校行事でしばらない ＬＯＶＥ やさしさとは 遊ぶ子 安全な遊び場 人の支え児童虐待 自由 となりの席の子 幼なじみ おばの存在 負ける練習 理解と共感力 社会病理克服のために
どの項目も簡潔な表現で、大切にしたいことを的確にまとめています。1冊1500円。代金の一部は被災地へ送られます。この本について問い合わせをしたい方や、購入希望の方は、わたしの研究室のアドレスに、件名「本希望」と書いて、連絡をください。鈴木さんに転送をして、連絡がつくようにします。
