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渡邉達生の研究室便り

自分をひらくということ

2012/03/22

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お昼近くになって、薄紫色のアネモネの花がやっとひらきました。朝、赤いアネモネの花はひらいたのですが、薄紫色のアネモネは、つぼんだままだったのです。前日もそうでした。太陽は同じように当たるのですが、花の色に個性があるように、花をゆっくりひらくことも、必要なことであり、それで十分なことなのでしょう。

そう思って、薄紫のアネモネを見ていると、人と比べては、すぐにひがんでしまう自分を反省したのでした。そして、花がひらくことは、花びらが反(そ)ることでできることに気づきました。そうか、思えば、反ることは、自分を主張することです。

「反」という字には「又」というパーツがあります。「又」は右手の形です。垂れている布や薄い板を右手で押している様子が「反」という形になっているといいます。
おうおうにして、反というと、「アンチ」「そむく」という意味でとらえがちですが、反は、もともと心をひらき、自分を出そうとしていることなのでしょう。
だから、反省することが意味のあることであり、反応することが大切なことだったのです。

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この日、一通の絵葉書が届きました。10年ほど前の、小学1年生から小学3年生までを担任した子どもからの、久々の便りでした。そこには、今春、念願だった大学に合格したこと、みんなより二年遅れたけれど、将来の夢に向かって着実に一歩を踏み出せそうだということが書かれていました。

そうか、あの子どもに、そのような、辛い試練のときがあったのかと、はるか昔を思いました。おっとりしていて、みんなとテンポがあわず、周りを見ては不安な表情になることが多かった1年生のとき。仲良しの友達ができたのですが、その子がアメリカに引っ越しをすることになり、お別れの日には泣いていた2年生のとき。さびしさに耐えるようにいつも厚い本を抱えていた3年生のとき。...その子どもが、十年たち、二年の浪々の身を経て、念願の大学生になることができたのでした。

人が生きるということは、一日一日を積み重ねるということです。その一日一日には、思い通りにはならないことも多いです。しかし、思い通りにならないからこそ、心をひらき、自分を出そうとすることに価値が生まれます。絵葉書には、カメを飼っていること、そのカメが冬眠から覚めつつあることも書かれていました。日々の生活の中でそのカメを見て、自分の立ち上がりを見ていたのでしょうか。えらいなあ。絵葉書の絵は画家アンリ・ルソーの絵でした。ありがとう。ずっと、飾っておきます。

薄紫色のアネモネや教え子が教えてくれた、自分をひらくということが、心を占領した一日となりました。本学の卒業式も、この25日に行われます。卒業される学生のみなさんにも、多くのことを教えていただきました。わたしも、心をひらかねば。反省の反に、心がけてみます。

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