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渡邉達生の研究室便り

悲しみの中からの光

2012/04/07

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4月です、新年度が始まりました。先日、フレッシュマンが先輩に連れられてあいさつ回りをしている姿を見かけました。初々しい顔は、見る者にも、さわやかさを感じさせてくれます。いい顔です。これからは、いい日ばかりではなく、悲しみにくれる日もあるでしょう。しかし、その悲しさの中でも、今のいい顔をした、自分の原点を思い起こすと、気力がわいてくる...、そんな気がしました。

 先月のことです。弟から電話があり、新橋演舞場の三月大歌舞伎で『佐倉義民伝』が上演されているから見た方がいいとの連絡がありました。せっかく勧めてくれたので、観に行くことにしました。

 話のあらすじは、子どものとき、学校の図書室で読むことがあり、知ってはいました。江戸時代の下総の国、佐倉の村人は、藩主に重い年貢をとり立てられて苦しんでいました。その村の人たちを救うために、名主の惣五郎は将軍へ直訴することを決心します。直訴は磔の刑になります。それがわかっていても、村人を助けるにはそれをするしかないのです。そして、それを実行して、磔に処されたのでした。道理の通らない、悲しい時代だと、やるせない思いを感じていました。

 しかし、この年になって、その出来事を歌舞伎で観ると、悲しさの中にある、惣五郎の思いがひしひしと伝わってきました。家族との最後の別れをする場面では、泣かされました。惣五郎と女房・子どもとの、もう二度とくり返すことのできない何気ない語り合いは、家族とは何かという、人の生きることの原点に迫ります。家族との生活、それが、どれほど幸せなことか。その幸せをつくってくれる家族への思いがあるから、悲しみに耐え、村の人たちを助けるための、文字通り、命をかけての行動に出ることができたのでしょう。

帰りの電車の中で、その日に感じたことを思い返していました。人生には、悲しい事に巡り合うことがある。しかし、つらい状況ではあっても、自分の原点に立ち戻ることによって、悲しみの中で立ち上がる気力を得ることができる。いいことを、改めて思い知らされたと。

夜、家の前に着くと、街頭の明かりが、あたりを明るくてらしていました。植木の後ろにさしかかると暗いですが、よく見ると、明かりは枝の間から小さな点となって見えていました。光は、何かにさえぎられることがあります。しかし、目をこらすことで、射し込んでいる光を見つけることができる...、そんな気がしました。

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