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渡邉達生の研究室便り

南三陸の海へ

2012/12/27

12月21日金曜日、夜11時15分。東京品川駅前。
そこに、この日、ある団体の東日本大震災復興支援ボランティアのバスツアーに参加する人たちが集まる。
寒さに備えた完全防備で行くと、すでに多くの人が集まっていた。若い人が多い。心強いことだ。足手まといにならないようにしようと思いつつ、背を丸めてシートにもぐりこんだ。目的地は宮城県南三陸町。

夜通し走ったバスは、紫色に染まった夜明けの南三陸町に着いた。かつての町の中心部にバスは止まった。

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そこで見た光景には息をのまれた。家や施設があった...と思わせる空間はある。しかし、あたりは、錆びた鉄骨や、コンクリートの塊が乱雑に点在するばかりである。

たたずんでいると、津波に襲われた方々の恐怖と無念の思いが迫ってくる。しばらくの間、手を合わせて、ご冥福を祈った。わたしにできることをするしかない。

やがて、わたしたちはグループに分かれ、それぞれの地に向かった。わたしのグループは、とある浜辺に降りる農道の草切り、という。

現地に着くと、農道らしき道が山の中に伸びていた。大震災までは、浜辺との間を軽トラで行き来していた道であったという。しかし大震災以後、人が浜辺に出ることがなくなったので、木の枝や草が伸び放題。軽トラも通ることができなくなっていたのだ。

1月には浜辺でノリをとりたいという。その準備である。

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折しも、冷たい雨が降り始めた。その中を、鎌を手に、草や木の枝を切り払って行った。鎌はよく切れた。それを言うと、世話をしてくださった方が、前日、鎌を研いでくれたとのこと。そうか、わたしのボランティア活動を支えるボランティアの方がいる...。このバスツアーを企画運営してくれている方々もそうである。

世にある万物は互いに相手を生み出すという、「相生」という考え方が古代中国にはあった。

五つの元素、火、水、木、金、土が、互いを生み出す。木は火を生み出し、火は土を生み出し、土は金を生み出し、金は水を生み出し、水は木を生み出す、そして、木が火を生み出す...。すべてが、かかわりあって、生み出されていると見るのである。人も然りである。人も互いに相手の生き方を生み出している。

周りの方と話すと、新潟県から、愛知県から、山梨県からと、遠隔地からも集まっていることがわかった。それを知ると、わたしの手にも力が入る。

やがて、小雨が煙る向こうに、海が見え始めた。おだやかな海だった。
一日をかけて、浜辺に行きついた。景色のいい入り江である。
ここで、地域の人たちが、今までの生活を取り戻せますように。
そう願って、浜辺を後にした。

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