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渡邉達生の研究室便り

真実を知る② 50年前の記憶

2015/03/14

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郷里の川原にはヨシが立ち枯れ、ネコヤナギが白い綿毛の穂をつけていました。季節は、冬から春へと進んでいます。
50年ほど前、この川原の近くの家に下宿して高校に通っていました。そのとき見たであろう景色を、ふたたび見たいと、川原に降り立ってみました。

あのとき、この川原に、純白の体操着に身を包んだ1500人の高校生が展開しました。川原にはゴミがたくさんあり、それを見た当時の生徒会長が学校と交渉して、全校で川の掃除をすることにしたのでした。たくさんのゴミが集まりました。そのゴミの山を前にして、すがすがしい清涼感を味わったことを、わたしは覚えています。でも、過日の同級会では、だれも覚えていませんでした。わたしには、どうしてそのときの記憶があるのでしょうか。

当時、人々の生活はエネルギッシュで、環境保全どころではありませんでした。高校内も大学受験で押し切るところがあり、模擬テストのたびに、廊下には、得点順に毛筆でしたためられた氏名の一覧表が張り出されていました。人間を、テストによってランク付けし、公表し、顕示させる...。ランボウでした。それは生徒を発奮させるための方法です。ですが、その趣旨にそっていくらがんばっても、みんながんばるのですから、順位がそうそう入れ替わるようなことがあるはずもありません。わたしの名前は、いつも後ろの方にありました。だから、学校はユウウツなところでした。

しかし、ひるがえって考えてみれば、学校とは、もともとそのような荒業で成り立っているものなのでしょう。そのようなユウウツな中での、川原でのゴミ集めは、人と同じくらいのゴミを集めることができたことで、自分に、一人前の人間としての力を感じさせてくれるものとなったのだと思います。それは、うれしいことでした。だから、覚えているのでしょう。そのときの心境は、あたかも、ぬかるみの大地に踏ん張って立てたときのようなものではなかったか、と思います。

今、川原のヨシは何事もなかったかのように立っていました。でも、ここでの記憶は、わたしの中には、去らずにあります。そのように去らずにある記憶が、自分を自分にしてくれている...、それを拾い集めることができると、行き先も明るくなります。

もう、三月も半ば。今年度は終わります。今年度も、たくさんの記憶がたくわえられました。みなさんも、そうでしょう。その記憶は、4月からの自分を支えてくれるはずです。

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