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渡邉達生の研究室便り

時計に動かされる

2015/11/20

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30年前から我が家にある置時計。上部には、秒針の回る文字盤、下部には左右に回る振り子、文字盤の裏には電池を交換する蓋がある。30年前、そのとき就いていた職を辞すとき互助会が贈ってくれたもの。

10年は経ったころだろうと思う、下部の振り子が動かなくなった。電池を入れ替えても振り子は動かない。でも、文字盤の秒針は時を刻み続ける。振り子は動かないのに秒針は動く?...へんだなとは思った。時計は時を刻み続けた。その後も、針が動かなると電池を入れ替えれば、針は動いた。

それからさらに10年が過ぎたころ、この時計を見ていて、振り子が動かないのが何とも気になり、振り子を取り出して修理してみようと思った。

できるか、できないか、迷ったが、やってみないことには話にはならない、と結論。時計を持ち上げ、底を見た。おっ、何だ、こんなところに電池を交換する蓋がある。えっ、振り子の電池は別だったのか。あ~、この時計の針は振り子によって動くのではない。それまでは、電池で振り子を動かし、それによって時計の針が動く、と考えていた。しかし、何の事はない、振り子と時計のメカとは別物だった。

底にもう一つの電池があるとは...、ソコには気がつかなかった。

その蓋を開けて、これまたびっくり、電池は溶け、流れ出た液が配線をも溶かしていた。20年もほったらかしていたのだ、無理もない。それから、内部をきれいにして、配線の溶けたところは文具のクリップで細工し、電池を入れると、見事、振り子は動きだした。

そして、それからさらに10年が経った。今度は秒針が止まった。文字盤の裏の電池を取り換えた。でも、もう秒針は動き出さなかった。30年も経ったのだから、それも仕方のないことか。記念品だから、飾っておくだけでもいいか。と、あきらめた。でも、振り子は動き続ける。何だか、その振り子の動きが健気に見えて、針を動かしてあげたい、との思いが日増しに強くなった。

そして、先日。だめもとで、分解掃除をしてみようと、時計の中を開けた。中には小さな歯車が数個と、配線の基盤があった。基盤は銅板でできていて、緑色に腐食しているところがある。これか? 緑色の部分を紙やすりを細くしたもので磨き、綿棒で拭い取った。電池を入れると、チャッ、チャッ、と、軽やかな音。おお、復活。

かくして、この時計は、30年を経て、さらに時を刻み続けてくれることとなった。
振り子の動きが、一段と愛おしくなった。
時計がわたしを動かしてくれたような気がする。

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