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渡邉達生の研究室便り

手記集『心に咲く良い話』できあがる

2016/02/07

nanohana.jpg

写真は、先年、神奈川県二宮町で1月に撮った菜の花。春の先取りでした。
このたび、学生の手記集『心に咲く良い話』ができあがりましたので、この写真で、その表紙を飾らせていただきました。この手記集、何と、甲骨文字で人の生き方をみるというものです。
「甲骨文字」は、古代中国の殷時代(紀元前1600年頃~紀元前1050年頃)に使われた、亀の腹甲や牛の肩甲骨に刻まれた文字です。今から3600年~3050年ほどの昔になります。

漢字と同じく表意文字ですが、漢字の原形ですので、もののあり方が、より素朴な形で映し出されています。そこに、自らの生き方を重ねてみると、気づかなかった生きている価値を把握することができます。それを追究する科目、「漢字と心の形」を開いていますが、受講した学生の成果を、手記集『心に咲く良い話』、という形でまとめました。

ryounozeipegu.jpg右の図は「良」の甲骨文字。これは穀物を水につけている形をイラストしたもの(中央が穀物。上下が流水)です。穀物は大切に保存されます。しかし、保存している間にヨゴレます。ところが、水につけることで、ヨゴレは落とされてきれいになり、芽を出す力に目覚めます。それが甲骨文字が表そうとした「良い」ことでした。そのことから、手記集のタイトルを『心に咲く良い話』、としました。

目次は以下のようになっています。
1「生」という文字から生きることの意味を考える
2「自然」という文字から自然の意味を考える
3「正」という文字から正しいことの意味を考える
4「良」という文字から良いことの意味を考える
5「神」という文字から神の存在の意味を考える
6「友」という文字から友達の意味を考える
7「責」という文字から働くことの意味を考える
8「路・道」という文字から人生の意味を考える

《編集後記》には、次の文章を添えさせていただきました。
 
多くの方々の志に支えられて本冊子ができあがりました。手記を提供していただいた学生のみなさんに、お礼と感謝を申し上げます。ありがとうございました。

編集していて、みなさんの志にふれ、わたしもいろいろなことを思い出しました。いじめられたことがありました。人にいいように利用されて悔しい思いをしたこともありました。人に誤解されていやになったこともありました。

いいこともありました。仲間で登山をしたこと、部活で共に汗を流したこと...。思い出していると、切なく、辛くなりました。いい思い出も、いやな思い出も、なぜか、胸がしめつけられるようになる。過ぎ去った過去のことであるのに、今に影響を与えるのです。どうしてでしょう。そうなるのには、どのような意味があるでしょう。

思いを描くことは、言葉で、心の中にグルグルと渦巻くものをまとめることです。

sinnzeipegu.jpgその言葉の「言」の由来は、「辛」+「口」。「辛」の甲骨文字は右図。これは先のとがった、皮製品を作るときに折り目をつける刃物を描いたものだといいます。今でいう千枚通しのようなものでしょう。それを肌に当てると痛いです。

gennzeipegu.jpg「言」の甲骨文字は右図。「辛」の刃物を口に当てるのです。とても痛いです。

その「言」の文字が表そうとした痛さは、何の作用によって起きるのでしょう。

体の腸の中には、善玉菌と悪玉菌がいるといいます。そして、悪玉菌は悪さをします。病気をつくりだします。それで、善玉菌が活躍して悪玉菌をやっつけてくれます。では、悪玉菌がなくなれば健康な体になるかというと、そうはいきません。善玉菌は働くことをせず、体も死んでしまうのだそうです。悪玉菌がいることで、善玉菌は働き、そして、それが生きるエネルギーをつくり出している、ということなのです。

そのことを念頭に置いて「言」の痛さの根拠を思い描いてみました。心には「我」がある、という考え方があります。思い出を言葉で表現しようとするとき感じる胸の痛さは、今を生きようとする「我」が、過去の「我」にふれるからではないでしょうか。

いやな思い出にふれると、醜さを自覚し、そうはなりたくないと抵抗する。いい思い出にふれると、今の汚れている自分を自覚し、今の自分に嫌悪感を抱く。痛みはそのサイン。いうなれば、生きようとするとき、いやな思い出の発する不満・恨み・妬みと対峙したり、いい思い出に知らされる今の自分のごう慢と対峙したりして、争いが起きる。

そのような、「我」が成長を求めて自らの内に引き起こす争いは、「切なさ」も発する。すると、その争いを自ら治めようと「我」は「良」の動きを始め、争いを水に流そうと、浄化作用を起こす。水に力があるとき、醜さや汚れは流され、澄みきった心となる。

いい思い出も、いやな思い出も、切なさとともに、心を洗う水を流してくれます。どうぞ、多くの方々の体験をもとに自分の思い出を掘り起こして、醜さや汚れを洗い流す強力な水を発生させ、生きる力をそなえましょう。新時代の到来です。

 読んでみたい方は、連絡をください。学生の方だけではなく、一般の方でもOKです。

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