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渡邉達生の研究室便り

自然の摂理

2017/06/28

   一ヶ月ほど前のこと、田舎に帰り、田植えの準備をして、田植えをしました。夕暮れ時、水の入った田んぼは鏡のようになり、西の山に沈む夕日が田んぼの中にも輝いていました。多くの苦労も、スーッと消えてしまうような、不思議な光景でもありました。一年の中で、この時にしか見られない光景です。カエルの声がにぎやかに聞こえていました。

  そのカエル、意外とたくましいのです。蛇ににらまれたカエル、という言葉があります。カエルは蛇ににらまれると、たちすくんでやすやすと飲まれてしまうというものです。でも、現実は、そうでもないのです。  

 昼間のことでした。水の入った田んぼで作業をしていたときのこと、田んぼの中には何匹かのカエルが泳いでいました。そのとき、バチャンという、大きな水しぶきの音が近くでしました。びっくりしてその方を見ると、蛇が水面に鎌首をぐっと持ち上げて、あたりをうかがっています。そうか、蛇は田んぼの中のカエルをめがけて、畔の上から田んぼの中にダイビングをして来たのです。さあ、カエルはどうなるのやら。ところが、あたりは、静寂につつまれました。あれほど、にぎやかにしていたカエルは、音も姿も消しています。蛇も鎌首をもち上げたまま、じっとして、自分の気配を消しています。まるで、がまんくらべです。どちらも動かず、さあ、どれほどの時間がたったことでしょう。ついに、根負けをしてしまったのは蛇でした。蛇は、畔に向かって泳いで行くと、畔に登り、そのまま草むらの中に入って行きました。この勝負、カエルの勝ち。  

 また、違う場所でこんな光景も見ました。カエルがミミズを見つけて、じっと見ているのです。カエルは小さい親指ぐらいの大きさ。ミミズも10㎝ぐらいの小さなミミズ。カエルはめずらしいものを見るように、ミミズを見ていましたが、やがて、口を大きく開けるとミミズの頭にかぶりついたのです。オッと、どうする気かカエルさん。ミミズを食べようとしたのでしょうか。でも、ミミズは、それはたまらんと、身をよじりました。すると、ミミズをくわえていたカエルも、ミミズをくわえたままもんどりうって、ひっくり返り、土色の背中を土につけて白い腹を出しました。カエルは、たまらずくわえていたミミズを放しました。白旗をあげたのはカエルさん。そして、ミミズが逃げていくのを、物欲しそうに見ていました。この勝負、ミミズの勝ち。 

  蛇とカエルとミミズ。水の入った田んぼの周りでは、小さな物語が続いています。しかも、食物連鎖の上に立つものが強いという、「一強」の世界でもないのです。だから、自然が成り立っているのでしょう。人間の世界も、そうだなあと思いました。

【追伸】 一ヶ月後、苗が育った田んぼに入りました。泥に足をとられないように歩いていると、前方に、白い紐状のもの発見。20㎝はあるでしょうか。近づいてみると、大きなミミズの亡がらでした。寿命のつきたミミズでしょうか。はたまた、水が入った田んぼに対応できなくなったミミズでしょうか。ミミズの亡がらが、水で白くふやけているのです。ひとつの、終わりかな、と思って、神妙な気持ちで尚もよく見ると、オタマジャクシが一匹、そのミミズの亡がらに食らいついていました。尻尾をふりふり、うれしそうでした。自然の中で、オタマジャクシが捕食をしているところを始めてみました。終わりは始まり。ミミズは、オタマジャクシの生きる力となったのです。『葉っぱのフレディ』を思い出しました。

 

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