「司書:司書は何ができるのか?」
鈴木さん
2018年春期に、正科生(資格・リカレント編入学)として入学。1年で司書資格取得を達成しました。
写真は図書ボランティア・コーディネーターとして関わっていた図書館の内覧です。
(掲載日:2020年3月30日)
◆鈴木さん
資格取得者の鈴木さんにお話を伺いしました。
●入学前に不安だったことはありますか
司書資格を取得しようと決めたのが3月中旬、4月からは前例のない図書ボランティア・コーディネーターに着任し、7月に開館する図書館機能が中心の複合施設準備にあたる、という状況の中で、果たして半年で資格取得できるのだろうか?自分の勉強時間を確保できるかどうかも不安でしたが、仕事との兼ね合いで受講できない科目が出たりしないのだろうかということも心配でした。
●入学の決め手になったことを教えてください
通信制では司書資格取得に1年かかるところがほとんどですが、最短半年で取得というのは、自分ができるかできないかは別として、大きな魅力でした。さらに、シニア割引制度は大きな決め手でした。
●学習に対して、入学前の印象と入学後の印象は違いますか
インターネットを使っての授業は、経験があったので心配していませんでした。都合で出張先からモバイルPCで受講しようとした際に接続がうまくいかなかった時も、支援センターのかたの親切で的確なサポートのおかげで無事受講できました。レポートについては、ちょっと舐めてかかっていた部分がありました。「学習のしおり」を熟読し、レポートの書き方をしっかり学びました。
図書というとアナログなイメージでしたが、科目に情報処理の内容が多いことが意外でした。私は以前、企業のシステム運用やパソコン講師の経験がありましたので、有利な部分がありました。
●学習計画はどのように立てましたか?
勤務先の複合施設が開館する7月までは土日祝が休日でしたので、土日集中スクーリングのタイプのものを最優先に入れました。テキスト科目は、自分が得意な科目から手を付け始めましたが、仕事を終えてからの平日夜にはほとんど学習の時間が取れず、土日にはスクーリング科目があり、あれよあれよという間に第1回レポート提出時期がやってきてしまいました。
結果的に、第1回レポート提出の時点で、苦手だなと感じた内容の科目を3科目諦め、春期の半年で資格取得することは断念し、秋期にじっくり取り組むことにしました。もっとマイルストーンなどを活用して計画的にすべきだったと反省しています。
●学習をする上で大変なことがあれば教えてください
地元の図書館というのが、まさに移転準備のために閉館中でしたので、資料探しをするためには車で30分ほど離れた隣の市立図書館を利用しなければなりませんでした。
都会と違って閉館時間も早いため、仕事の後に行くのはかなり厳しかったので、夜間に開館し一般開放している大学図書館も利用しました。田舎の場合は、図書館情報学に関する蔵書が揃った大きな図書館に行く時間を計画的に確保することが大事ですね。
必要な資料はしっかり揃えておいて、レポート提出の時期には惣菜や弁当を買って帰るなど家事を省いて学習に専念しました。私は徹夜が苦手ではないタイプなので、レポート提出期間になってから集中してレポートを書き上げましたが、皆さんには決しておすすめできません。
スクーリング科目については、なるべく毎回予習をしたので、授業にも積極的に参加できました。オンデマンド配信で確認することもできますが、時間を有効に使うには、授業でも質問し、わからないことを残さないようにしました。
●入学して良かったと感じたことがあれば教えてください
実は私は元々図書館嫌いでした。お役所的で、くしゃみもできないような静かな図書館は、緊張してしまい苦手でした。
子どもが小学校に入学と同時に、演劇経験を活かして読み聞かせボランティアを始め、続けたことがきっかけで、町の図書館づくりに住民代表として参加したのですが、そこで「図書館とは何なのか?司書は何ができるのか?」を知りたいと思い、それならいっそのこと司書資格を取ってしまおうと思って入学しました。
学んでみて、得た知識は想像以上に広く深いものでした。
また、レポートの書き方も大変勉強になりました。文章を書くことは決して苦手ではないつもりでしたが、正しい引用の仕方や、参考文献の記述法をしっかり身につけられたことは、自分の仕事上でも、根拠に基づいた論理的な文章を書くために役立っています。
●印象に残っている科目とエピソードを教えてください
スクーリング科目で、藤田節子先生の「情報サービス演習2」では、たまたま課題の一つで私の解答を模範解答として授業で紹介していただき、とても自信がつきましたし、学習全体への励みにもなりました。
スクーリング授業やレポートの講評では、厳しい指摘や評価もいただいたので、先生方に対してちょっと「堅い」イメージを持っていたのですが、横浜で開催される図書館総合展に参加し、八洲学園大学ブースで先生方に直接お会いしてみたら、とっても楽しい先生方で、印象が変わりました。先生方には大変かもしれませんが、テキスト科目でも、先生と直接やり取りができるオンラインでのガイダンスが1度くらいあるといいなと思いました。
●現在のお仕事について教えてください
入学と同時に、図書ボランティア・コーディネーターとして、新施設で活動する図書ボランティアを組織し、図書館機能を有する複合交流施設の開館後はボランティアによる図書イベントを企画運営しました。
その後、町議会議員選挙に立候補するため後任に交替し、無事当選させていただきました。私の町では文化による町おこしを進めています。町の中心部にできた複合施設の図書館機能が果たすべき役割や、今後の町づくりを考える上で、司書の学習によって得た知識や事例が参考になっています。また、議員としての政務調査や一般質問などの活動においても、学習で培った情報資源の活用や、根拠に基づいたレポート記述の力が役立っています。
●これからの目標を教えてください
複合交流施設という名の通り、見た目は図書館ですが、町の文化を紹介し、飲食・おしゃべり可能な、町民にとってのサードプレイスを提供しています。既存の図書館とは違う可能性をさらに広げるには、そこで働く司書さんの力や、利用すると同時に支えてくださる住民の力も必要です。私も議員になってからも、図書ボランティアとして活動していますが、八洲学園大学で学んだ「図書館とは何なのか?司書は何ができるのか?」を多くの人に知ってもらいたいと思っています。
また、地方議会にも議会図書室を附置することが地方自治法で義務付けられていますので、その整備も進めていきたいです。
●これから入学する検討者へメッセージをお願いいたします
八洲学園大学のカリキュラムは、地方に暮らしていても、仕事をしていても、子育て中でも、十分な学びを得ることができる工夫がなされています。卒業してからも参加できる公開講座や、SNSでの繋がりもあります。
今や、まちづくりには図書館は欠かせません。図書館には優秀な司書が欠かせません。皆さんの努力を心から応援しています。
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