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「司書:本と人、人と人を『つなぐ』」
松田さん
松田さん

2016年春期に、科目等履修生として入学。図書館長を務めながら最短半年で司書資格取得を達成しました。
 
※2018年度 松田さんが館長を勤める図書館が文部科学大臣表彰を受賞しました(新着ニュースへ移動します)。

(掲載日:2018年5月31日)


松田さん
資格取得者の松田さんにお話を伺いしました。

●入学前に不安だったことを教えてください
ただでさえ、図書館の仕事と家事と一部「孫育て!?」をしていましたから、それに司書資格取得のための学習が加わったとき、時間的にも能力的にも身体的にも気力的にも、可能なのかしら?
PCを自由自在に操るどころか、PC初心者に近く、もて遊ばれている!?感のある私が、PCによるスクーリングがこなせるのかしら?
大学生としてレポートや論文と格闘していたのは、すでに40年も前のこと。今更レポートが書けるのかしら?
と、いろいろな不安がありました。


●入学の決め手
自宅で学べるということです。しかも、スクーリング科目がPCを通して学べることが、職場や家を空けることができない身としては、ありがたかったのです。
それからパンフレットに「司書資格を半年で取得」された方のお話しが載っていて、その方と年齢の近い私でも頑張れば目標が達成できるかもしれないと思いました。
さらに、授業料割引制度も魅力的でした。

●学習計画はどのように立てましたか
実際の仕事にできるだけ早く生かしたいと思ったので、司書資格取得に必要な科目は全て履修登録しました。
(もし、修得できない科目があった場合は、再挑戦するつもりでした。)


特に、スクーリング科目については、シラバスと日程表を吟味して、仕事に支障のない時間(6限目)や休みのとれる日に開講されている科目を選択しました。「児童サービス論」はテキスト履修も可能でしたが、敢えてスクーリングを選択し、授業時間が2限目だったので、その日は午後から出勤するよう仕事の方を時間調整しました。(普段は10:00~17:00の勤務時間を、13:00~19:00に。)

テキスト履修やスクーリングのレポート方式の課題作成については、計画を立ててレポートを書くようにしましたが、やはり締め切り間際に部屋にこもり、パソコンと格闘!?しているうちに夜が明けたということもありました。(睡眠不足のまま仕事をするのはさすがにつらいものがありましたが、充実感・達成感は爽快でした!)

ただし、お勧めできることではありませんので、ゆとりある計画と実行が大切だと思います。(蛇足ですが、この間の夫や娘、孫の協力にはひたすら感謝です。)


●現在のお仕事と、一日のスケジュールを教えてください
私は町立図書館の館長という職にありますが、待遇としては町の嘱託職員ということになっています。
(司書は全員正職員ですが・・・。)

ですから、勤務時間は午前10時から午後5時までの、基本6時間となっています。
ただ、この仕事が楽しくて、かついろいろなことをやりたがりの館長は多忙ですから、その枠には収まりきれません。

夕方は孫の迎えと世話がありますので、普段は午後5時のシンデレラですが、朝はフリーです。
早い時には8時前に出勤し、夜も(事情が許せば)9時過ぎまで残ったり、それができないときは仕事を持ち帰ったりということもあります。

●4月のとある水曜日例(一日のスケジュール)

<9:20~>
・当日の日程と業務確認。
・清掃担当業者との連絡調整。
・メールのチェック。
・司書との簡単な打合せ。
・開館とその後の準備。

<10:00~>
・社会教育課主事が来館し、打合せ。
・来月開催「講座」用ポスターやチラシ調整、印刷依頼。
・同上「講座」について、関係者との打合せ。
・県立図書館より今月末の県の総会について問合せ。
・次週の小学生の図書館見学の授業案及び準備。
・学校図書館支援員との連絡調整。
・会計処理のため、銀行へ。
・近隣の小学校へ出向いて、校長先生にご挨拶及びボランティア研修会(読み聞かせ)についてお知らせと依頼。
・週末のミーティングのレジュメ作成。
・今後のイベント、講座の実施要綱作成。

<~17:30>
・近隣の図書館へ来月の司書研修会のお知らせ(電話・メール)

途中30分ほどの昼食休憩を挟みながら、このような雑多な仕事をしています。

●仕事をしてどんなときに「やりがい」や「楽しさ」を感じますか
「本と人、さらに人と人を『つなぐ』」という図書館像を目指していますので、子どもたちが本と出合う機会を作れたとき(イベントや読み聞かせや本についてのアドバイスなど)や本を仲立ちとして人と人との関係をつなぐことができたとき(読み聞かせボランティア同士の連携のお世話や研修会の実施、他機関との連携、読書の環境づくり等)に「やりがい」や「楽しさ」を感じています。


●仕事や生活において、本学で学んだことはどんな時に生かせていると感じますか
図書館の歴史的位置づけとこれからの方向性を教えていただいたことが、私の図書館運営の基本になっています。
また、スクーリング科目のチャットをとおして、先生方や受講生の皆さんと直接の学習や意見交換ができたことが受講当時も今も励みになっています。

特に、スクーリング科目の「児童サービス論」は理論だけでなく、具体的な方法を野口久美子先生から示唆していただいたり、司書を目指す若い方々と一緒に勉強させていただいたりと、私の「子どもの読書活動推進」の原動力になっています。


●入学を考えている方へ、メッセージをお願いします
私は司書の資格取得のために本学に入学しましたが、それと同時に学び続けることの大切さと楽しさを実感することができました。本学では、通信教育という制度によって自分の置かれた状況に応じて学びをコントロールしつつ、しかも同じ志を持って努力している方々ともつながることができました。
とても幸せな時間を過ごせたと感謝しています。

それから、図書館司書の仕事は、読書の娯楽面も含めて、本をとおして人の人生に関わることのできるすばらしく、やりがいのある仕事です。
今は待遇面の厳しさ等もありますが、ぜひ高い志を持って司書を目指していただきたいと思います。

松田さん
写真:イベント(2017年夏開催「ちょっとこわ~いおはなし会」)終了後の関係者記念撮影。カッパ!?も一緒に。

松田さん

松田さん
写真:2017年度開講「読書講座」修了生と一緒に。

松田さん
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